第51話 部長の行方
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も言いたげな冷徹な目で凝視するもんだから、冷や汗かくのも仕方ない。
「......」
「......」
「......」
「ほな練習しよか」
「いやだから待て!部長がいない理由を説明しろ!」
μ's全員(矢澤にこ除く)は俺に絶対教えないウーマンになっている。そこまでして俺に説明したくない理由は何なのか......まさかにこに"彼氏が出来た?"、それを俺にバレないようにするために適当に流している?
そしてあの日というのは彼氏彼女特有の記念日───〇ヶ月記念日というやつか!
ここまで考えて一度冷静になる。
まずこの予想は無いな、とすぐに思った。彼女はアイドルオタクの塊で自ら『アイドルは恋愛禁止』なんて口にしている。
その本人がメンバーを差し置いて真っ先に彼氏作ってズッコンバッコン(自主規制)しているなんて正気の沙汰とは思えない。
(と、なると次は......)
好きなアイドルグループのライブがある、という説。
濃厚か、と考えるもやはりこれもボツだと頭を振る。そもそもそういったイベントには必ずと言っていいほど花陽も同行している。
だからありえないのだ。
「もーわからんな。」
「そんなに気になるなら連絡してみればいいじゃない」
「......ぁあっ、そうか忘れてた」
真姫に指摘されて肝心な事をやっていなかったことに気づき、すぐさまにこに電話をかける。
ワンコール、ツーコール、スリーコール、と鳴らしても繋がる気配はない。そのままでも出る事が無かったので、着信を一度切り大きくため息を零す。
「出ねぇな」
「そりゃ出るわけないでしょ」
「待てマキマキっ、お前が連絡しろ言ったんだろうが」
「電話で連絡するなんて思わなかったわ。というか『マキマキ』って呼ばないで」
しかしどうしたものか......
メンバーの点呼や体調管理諸々が俺の仕事で、その俺が把握出来ない以上、意地でも何とかしなければならない。
とりあえず緑色の連絡アプリで『矢澤にこどこいったんだよ』とだけ残し、
「ちと探してくるわ。海未と絵里に後は託す」
「え?いや、にこなら多分大丈b───」
「でも俺が把握しなきゃダメだろうが。みんなはなんだか分かってるような雰囲気出してるけど、やっぱ本人から直接聞いた方がいいって」
絵里の静止をろくに聞かず、俺は日陰においてあるカバンを放置して蹴飛ばすようにドアを開ける。
穂乃果が何か声を上げていたような気もするが、それよりも重要なのは部長の行方。
みんなの安心した雰囲気とは裏腹に、妙な不安を覚えていて足を止めることが出来ないでいる。
階段を駆け下り部室、更衣室と
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