暁 〜小説投稿サイト〜
μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜
第51話 部長の行方
[1/8]

[8]前話 前書き [1] 最後
「μ'sが最終予選へと足を運ぶことが出来ました!!!」
「誰に話してるのよ穂乃果......」
「うえ?んーと、大くん!」
「俺かよ全然話聞いてなかったわ」



部室内に置かれたデスクトップPCを前に群がるμ's一団。
その中の一人、穂乃果は俺に話しているのか、それとも他の誰かに話してかけているのかよくわからない妙な丁寧口調で喜んでいた。




 ラブライブ!最終予選の通過を獲得した俺たちは、揃いにそろって勝利の美酒を味わっていた。
海未だけは耳をふさいで部室の隅でぷるぷると震えていて、知らせるべきか一瞬だけ迷ったけど、どうせいずれか知ることになるんだ、と無視して飲み残した缶コーヒーに口をつける。


「ねぇねぇこれからどうする!?」
「決まってるでしょ。練習よ」


穂乃果の問いに真姫は当然と言わんばかりに言う姿は、なんだかんだ言って嬉しそうだ。

「まぁ最終予選まで一カ月あるかないかだし、のんびりパーティーしている暇もなさそうだな」
「というより、最終予選でパーティーって」

 ことりが言わんとしていることはわかるが、あえて最後まで言わないとことがきっと彼女のやさしさなのだろう。


 最終予選に残ったスクールアイドルは四組。その中に、頂点の頂点”A-RISE”も君臨している。
以前は彼女らを前に怖気づいていたミューズだが、先日の予選を機にむしろ強気な態度をとっている。


───負ける気はない


 きっとみんなの心にはそんな言葉があるだろう。


「じゃあ、決まったところで練習開始ね。各自着替えていつも通り屋上に集合よ!」
「ほな、大地くんは申し込みの方頼むなぁ」
「またかよ。俺の仕事だけどあえて言わせてくれ、またかよ!!」


 ここ最近のコイツらときたら俺の扱いが雑な気がしてならない。
確かに雑用として彼女らのサポートはしているが、決して奴隷の如く扱われるキャラになったつもりはない。

 
 花陽から今さっきサイトからダウンロードして印刷してくれた最終予選のエントリーシートを受け取り、ざっくばらんに眺める。


 先日の予選の申し込みの際にも同じようなものを書いた。
記憶が新しい分、なんとなく『これは本当に現実なのだろうか』という錯覚に陥ってしまう。

 びくびく緊張しながらエントリーシートを提出し、真姫の別荘で合宿。
そうしてA-RISEとの一戦を交えて俺たちは今、ここにいる。

またひとつ、先に進めることができる。


だから───



「......ん?」

 

 ふと視線の先に部室の隅で耳を塞いでうずくまる少女の姿があった。
結果発表前からずっと耳を塞いで落ち着くを見せない彼女は、まるで完全
[8]前話 前書き [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ