89じばくそうち
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を廃棄することもできず、手を震わせながら処理に困っている警官。
『いいんですよ、今、色々と立て込んでまして、他にも記録に残るような事件が起こるかも知れませんから上にも報告して下さい』
祐一の目にも、警官の顔色が急激に悪化しているのが見え、この人も関係者なのだと思えた。
『それでこちらが倉田佐祐理さん、川澄舞さん、天野美汐さん、相沢祐一さんです』
聞き覚えのある名前がゾロゾロ出て来てさらに困るが、佐祐理の名前を聞いて職務上の義務を思い出す。
「あの、倉田のお嬢さんと言えば、確か今、捜索願が出ていたはずですが?」
『ええ、こちらの事情でお預かりしていましたので、倉田の家には連絡しておきます。まあ、映画の撮影が楽しくて、友達の家を泊まり歩いていた事にしておいて下さい』
「わ、分かりました……」
術にかかってしまい、警官たちも解散させられた。
『さあ、これでお開きですよ』
倉田家、佐祐理のベッド
「うわあああああああああああっ!!」
「きゃあああああああああああああああっ!!」
悪夢から目覚めさせられた二人は、夜中に盛大な悲鳴を上げて飛び上がって起きた。
お互いに恐怖で目覚めて、汗ばんだまま肩で息をしている。
一瞬前までは弟を姑息な手段で盗んだ泥棒猫で、もう親友では無い「お前」呼ばわりのメスブタ。
一弥と胴体の魔物に操られていたとは言え、自分を袈裟懸けに佛陀義理にした憎い相手で恋敵。
それでも覚醒とともに悪夢の記憶は失われ、お互いが生きていて、一弥も無事に妊娠。
憎み合ってもいない、逆に愛し合っている世界線で生きていられるのを感謝し、夫で恋人が目の前にいてくれる奇跡を感じて抱き合った。
「あ、あんなk、事になる寸前だったなんて…」
「舞、舞〜〜〜〜っ!」
教室にいる時に校外から12.5ミリをぶっ放され、舞は無事でも佐祐理の頭がふっ飛ばされ、床に脳症ブチ撒けるような悪夢も見た舞も、盛大に泣いて親友で嫁の心臓の鼓動を確かめた。
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