87佐祐理お姉ちゃんがガチレズじゃない世界線
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
佐祐理初体験及び撮影中
「それに「私」も昔、祐一さんと会ってたんですよ… どうしてか分かりませんけど、ついさっき、鍵が外れたみたいに急に思い出したんです」
今確かに、佐祐理は自分の事を「私」と言った。 精神年齢がロックされた12歳頃から一気に18歳になり、その顔が祐一の方を向くと笑顔の頬にダラダラと涙が流れ落ちていた。
「さ… 佐祐理さん……」
ここでようやく祐一は、「いつもの事」が始まったのだと思った。
「これから舞は、お風呂に入った後、侍女にマッサージを受けます。 その間、お母様と屋敷の者達が舞を押さえていてくれるんですよ、まるで隣に私や祐一さんがいるような幻を見ながら」
「そ、それで…?」
「祐一さんと一緒にいる、一弥を返して下さい」
「ど、ドウヤッテ…?」
体では、以前のカオリンや、みーちゃんと同じ要求なのは理解していたが、どうしても言葉で確認してしまう祐一。
「決まってるじゃありませんか、私のお腹の中に、赤ちゃんとしてです」
「エッ?」
理解不能の単語を並べる佐祐理が、何を言っているのか、どうしても分かりたく無かった祐一だが、その目付きが、とても危険な状態なのは、非常に良く分かった。
さらに今回は「脅迫用ビデオ」があるので、佐祐理自身に力が無くても、振り返って逃げる訳にも行かない。
さらに、言葉の最後に「赤ちゃん」と言っていた所からも、他の女と違い、最初から妊娠目的の行為を要求していて、舞達が言っていた「一弥」とやらを返さないと、家には帰してくれないらしい。
「それとも、私みたいな女じゃ駄目ですか? 舞とか、香里さんとか、天野さんの方が良いですよね、こんなバカな女じゃあ」
「いや… そうじゃなくって、先約があるから…」
「心配しないで下さい、昔、水瀬の家へ行って、祐一さんと許婚になったのは私だったんですよ、お聞きになってませんでしたか?」
「へっ?」
秋子ちゃんが「政治的に」了承した相手は佐祐理だった。 他にも「家族として名雪」「出身地が同じ真琴」「美坂姉妹」「自分」も了承していた。
今は「秋子ちゃん牧場計画」が実行され、祐一は種雄として、妖狐の血を繁殖させられるらしい。
「それに他の子みたいに「責任取って下さい」なんて言いません。 一弥は私の弟だったんですから、倉田の家で大切に育てます。 祐一さんは丘の狐様なんですから、種付けだけして下さればいいんです。 倉田家ではずっとそうして来たんですよ」
佐祐理の祖父は近代教育を受け、世間の風潮も変わったため、お見合いのような儀式も、1ヶ月しか一緒にいられない相手と結ばれるのも拒否していた。
その結果は、妖狐の血統で必ず力を持って生まれて来るにも関わらず、力の源が無く、急速に命を削って行く孫達が生まれていた。
ここでもし祐一が拒否す
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ