暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1855話
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初めての事だ、というのが大きいだろう。
 もし今までにも何度か同じ事を経験しているのであれば、ある程度どうなっているのかというのは、分かるのだろうから。
 ともあれ、その辺りの事情が分からない以上、今俺達が出来るのは16階を確認する事のみ。
 そんな風に考えながら、階段を上っていくと……

「あー……駄目か」

 残念そうな言葉が、俺の口から漏れる。
 そんな言葉が漏れた理由は、当然のように16階から先に進む場所を封じている鉄格子の存在。
 ……いっそ、俺がこれを破壊するか?
 そうも思ったが、すぐにそれは自重する。
 そもそも、俺の力であれば壊せるだろうこの鉄格子をそのままにしておいたのは、俺が壊してしまった場合に起きる不都合を考えての事だ。
 俺がこの世界の原作を知っているのであれば、もしかしたら鉄格子を破壊するような真似をしても問題なかったかもしれない。
 だが、そうでない以上、この鉄格子を破壊するという行為そのものが何らかのトリガーになっている可能性は、決して否定出来ないのだ。
 であれば、やはりこの鉄格子は原作通りに事態を進め、自然に何とかして貰う方が最善の道だと言えるだろう。
 本当にどうしようもなくなったのであれば、俺が手を出してもいいが……今のところ、シャドウが凶悪になってはいるものの、出ている被害っぽいものはそれだけだ。
 であれば、もう少し様子を見た方がいいのは確実だった。

「取りあえず、16階も確認したし……タルタロスから出るか。シャドウが凶暴になっている状況で、死神に出てこられたらちょっと洒落にならないし」

 その言葉にゆかりが一瞬震え、荒垣も異存はないと判断し、俺達は影のゲートを使ってエントランスに向かうのだった。
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