ペルソナ3
1855話
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「60点……といったところか」
今回のゆかりの戦闘を評して点数を付けると、それを聞いた荒垣が俺の方に視線を向けてくる。
「ちょっと厳しくないか?」
「そうか? けど、今回の戦闘ではかなりのミスがあったぞ。一番大きかったのは、やっぱりシャドウの数が多くなって、更に好戦的になっていたからか、かなり動揺していた事だ。幸い狙いを外した矢の数はそれ程なかったが、それでも命中した場所が狙っていた場所とは違っていただろ?」
「それは……」
俺の言葉に、荒垣の側で話を聞いていたゆかりは言葉に詰まる。
実際、動揺するというのは命を懸けた戦闘において大きな隙を産む。
最後に狂愛のクビドによる攻撃を食らいそうになったのも、敵の様子に動揺を押し殺す事が出来なかったゆかりの油断だろう。
今回は炎獣がゆかりの護衛についていたから何とかなった。
だが、ゆかりが戦闘をする時、いつでも俺がいるとは限らないのだ。
勿論それはゆかりとパーティを解消するという訳ではない。
だが、四六時中一緒にいる訳ではない以上、ゆかりがいつどこで戦闘に巻き込まれるのか、分かったものではないのだ。
「うーん……そうね。自分でも色々と反省の残る戦いだったと思うわ。やっぱり今日のシャドウの様子にちょっと驚いてしまったんでしょうね」
幸い、ゆかりはそう言い、自分のミスを大人しく認めていた。
自分で戦っただけに、今回の一件が大きなミスだったと……俺が、炎獣がいなければ死んでいた可能性が高いというのを理解していたのだろう。
ともあれ、分かって貰えたようで何よりだ。
「動揺しない……というのは、ちょっと難しいと思うが、次からはなるべく落ち着いて戦えるようにした方がいいだろうな」
「アクセルは、何でああいうのを見てもそんなに動揺しないの?」
ふと、ゆかりがそう尋ねてくる。
恐らく何かコツのようなものを聞きたいのだろうが、俺がこうまで冷静なのは、もしあの程度のシャドウに襲われてもどうとでも出来るという自信があるのもそうだが、何より……
「慣れ、だろうな」
「……慣れ?」
「ああ。こういう言い方はあまり好きじゃないんだが、命懸けの戦いであっても結局いつかは慣れる。それこそ、激しい戦いを潜り抜けてくればな」
普通の人間にとっては、戦いに慣れるというのはあまり面白い出来事ではないだろう。
だが、ゆかりのように戦いをしなければいけないのであれば、戦いに慣れるというのは必須となる。
勿論その慣れ具合にも色々とあるだろう。
シャドウを攻撃するのを躊躇わなくなったり、向こうに攻撃された際には素早く判断して冷静にその攻撃を回避したり防御したりと判断出来るようになる……といったものから、俺のように敵であれば人であっても躊躇いな
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