ペルソナ3
1854話
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しれない。
そんな風に思いながら、俺は真田と言葉を交わす。
「そうか。そっちとしては、期待の戦力だろうな」
実際、真田と桐条の2人だけではタルタロスの攻略が難しいのも事実だ。
……まぁ、以前は4階までだったが、今はかなり進んでいるって話らしいが。
ともあれ、真田達にとっては喉から手が出る程に戦力を欲しているのは間違いない、か。
その後も幾らか話をし……結局そろそろ影時間が終わってもおかしくないだろうという頃合いになり、俺は影のゲートを使って真田を寮まで送り届ける。
寮の中に入って桐条や幾月に挨拶をしていかないかとも言われたが、桐条はともかく幾月には好んで会いたいとは思わない。
ましてや、この寮の中が盗撮し放題の場所になっているというのを理解してしまった以上、あまり上がりたくないのは間違いなかった。
真田や桐条は、必要ない限り盗撮データの類は破棄していると言っているが、それを本当の確認出来る訳ではないし……何より、データの破棄云々といった内容よりも盗撮されている可能性のある場所に行きたいとは、到底思えない。
もっとも、盗撮ではなく撮影という意味でなら、防犯カメラのある店はそれこそ星の数程もある。
そのような店に行けて、寮に入れないというのは……やはり、そこを仕切っている者に対する信用や信頼というのが影響しているのだろう。
また、店とかでは俺はあくまでも客の1人――それなりに買い物をしているので、いい客かもしれないが――であるのに対し、幾月にとって俺はペルソナもなしでシャドウを倒しまくり、更には過去何をしていたのかといった事も分からないような、そんな相手だ。
であれば、俺が寮に上がりたいと思わないのは事情を知る誰でも理解出来る筈だ。
そんな訳で、俺は真田と寮の前で別れてアパートに戻ってくる。
まだ影時間が終わっていないという事もあって、部屋の中は暗いままだ。
窓から見える外も、明かりは月明かりしか存在しない。
……うん? そう言えばそろそろ満月か。
窓から見える月は、もう殆ど真円と呼ぶのに相応しい形をしていた。
今日の時点で満月だと言われても、納得する者が多いだろう程には。
もっとも、だからどうしたって程でもないんだが。
指を軽く鳴らして明かり代わりの炎を生み出す。
そうして炎の明かりを頼りに、俺は空間倉庫から取り出した本を読むのだった。
「おはよう、アクセル」
「ん? ああ、おはよう」
4月9日、俺が1人でタルタロスに行った日から2日。
いつものように影のゲートを使って月光館学園の近くまで転移してきた俺は、道を歩いているとそんな風に声を掛けられる。
聞き覚えのある声にそれが誰なのかというのは特に考える必要もなく判断し、振り向きな
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