ペルソナ3
1854話
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「はぁっ!」
鋭く息を吐きながら、ゲイ・ボルグを放つ。
真っ直ぐに突き出された槍の穂先は、黒い外殻を持つ死甲蟲を一撃で貫き、そのままシャドウは消えていく。
ゆかりのショートボウで射る矢には強力な防御力を誇る死甲蟲の外殻だったが、俺の身体能力とゲイ・ボルグが合わされば、防ぐような事は出来ないらしい。
順平や友近と高校生らしい放課後をすごした日の夜……影時間になった今、俺の姿はタルタロスの15階にあった。
本来なら今日はタルタロスの探索は休みという事なので、ゆかりと荒垣の姿はなく、あくまでも俺だけでの行動だ。
有里が転校してきた事により、もしかしたら原作が始まって16階の鉄格子が消えて通れるようになったのではないかと思ったのだが……残念ながら、16階は昨日までと同様に鉄格子が存在して先に続く道を塞いでいた。
有里は原作に出てくる人物じゃなかったのか?
ともあれ、そんな風に考えながら適当にシャドウを狩りつつ、宝箱からマジックアイテムや金といった物を回収していく。
「死神は出ないな」
周囲を見回しながら、呟く。
俺が今日タルタロスに来たのは、16階を確認する意味もあるのだが、それと同様に……もしくはそれ以上に、死神との再戦を期待しているというのもある。
正面から戦えば、油断しない限りどうにかなるだろうという思いがあった。
勿論、死神も前回の戦闘で全ての力を見せた訳ではない筈だ。
実際最初に接触した時は、あのマハラギダインとかいう強力な火の魔法も使っていなかったし。
何か奥の手がある可能性は十分にある。
まぁ、その辺りを考えるだけの知能があるかどうかは、はっきりとしないのだが。
ともあれ、死神と戦えない以上、このままタルタロスにいる必要はないか?
そんな風に思っていると、壁を曲がった場所から1匹のシャドウが姿を現す。
空を飛ぶ狂愛のクビド。
一撃で倒してしまってもいいのだが、何となくどんな行動をするのかを見ていると、やがて向こうは俺の存在に気が付いたのだろう。
慌てたように、弓を構え、こちらに矢を射ってくる。
だが、俺がゲイ・ボルグを大きく振るうと、それだけでこちらに向かって射られた矢は全てが破壊され、矢の残骸と呼ぶのに相応しい姿となってタルタロスの壁に叩き付けられた。
そんな様子を見て動揺……したのかどうかは分からないが、一瞬動きが鈍った瞬間、俺は瞬動を使って既に槍の間合いに入り込み、ゲイ・ボルグを放つ。
槍の突き。
基本的な形式の一撃だったが、放たれたのは一瞬の閃光の如き突きだ。
死神ならまだしも、狂愛のクビド如きに回避出来るような一撃ではない。
一撃で身体を貫通された狂愛のクビドは、あっさりと消えていく。
うん、まぁ、こんなものだろうな。
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