次なる目標
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ッチボールを終えたツバサがやってくる。
「その考え方が上からなのよ。まさか英玲奈、あの子たちが本気で全国を勝ち抜けると思ってるの?」
肩と肘のストレッチをしながらそう問い掛けるツバサに英玲奈はまさかといったような表情で答える。
「確かに面白いチームだが、決勝までとなるとさすがにな・・・ただ」
「ただ?」
「彼女たちは何かを持ってる。そうじゃなければ出来て半年足らずのチームがここまで来ることだってできないだろう」
片付けを終えてベンチ裏へと下がっていた少女たちの方を見ながら言葉では言い表せない何かを感じいた英玲奈。他のナインはそれが何なのかわからないらしく、首を傾げていた。
「今日はお疲れさん。負けはしたがいい試合だった・・・と言っていいのかな?」
ダウンを終え控え室でミーティングを行っている音ノ木坂ナインに剛がそう声をかける。彼は今にも泣き出しそうな表情の彼女たちを見た後、1つ息をついてから言葉を紡いでいく。
「先発ピッチャーを捉えられたのはよかったな。それに優木からもヒットで点数を取りマウンドから引きずり下ろした。だが、ツバサからは打てなかったな」
彼女に完全に流れを切られたことで一気に崩れてしまった。それを建て直す術が見つけられないまま試合が終わってしまった。
「俺もお前たちもまだまだ未熟だったわけだが、暗い話はこのくらいにしておこう。ここからはいい話になるぞ」
「いい話?」
一体どんな話をしようとしているのか検討もつかない少女たちは顔を見合わせる。剛は控え室の扉を開くと、ある人物を中へ招き入れる。
「お母さん!!」
その人物とはことりの母でもある音ノ木坂学院の理事長。彼女は全員の顔を見つめた後、ニッコリと微笑む。
「みんなの戦っている姿をずっと見てました。惜しかったわね」
初戦からずっと球場に足を運んでいた理事長は日に日に逞しくなっていく彼女たちを見て胸を熱くさせていた。そしてそうなったのは、彼女だけではない。
「実はみんなが頑張っているのを見て、学園の入学希望者が大きく増えました。その結果・・・
音ノ木坂学院の廃校は見送ることになりました」
「「「「「・・・え?」」」」」
一瞬何を言っているのかわからずしばし沈黙する穂乃果たち。その間に剛は耳を塞ぐと、正気に戻った彼女たちは絶叫した。
「「「「「えぇ!?」」」」」
あまりにも唐突だったこともあり喜びよりも先に驚きの方が来てしまった。一頻り驚くと、彼女たちは自分たちの大好きな学校が存続することが決まったことに喜び手を取り合っていた。
「やった!!音ノ木なくならない
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