次なる目標
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「ストライク!!バッターアウト!!」
空振り三振に倒れガッカリしながらベンチに戻ってくる背番号1。それを迎え入れる音ノ木坂の選手たちに、もう笑顔で出迎える元気は残っていなかった。
UTX 300 007 32
音ノ木坂 140 030 0
『9番ファースト南さん』
8回裏で点差は7点。この回1点も取れなければコールドゲームになるがすでに2アウト。打席にはことりが不安そうな顔を隠しきれずに立っている。
(もう今までの勢いはないか。無理もない)
マウンドにいる少女から1本のヒットも放つことができていない。
(あとはストレートで十分だ)
(はいはい)
ビシビシとアウトローにストレートを決めるツバサにことりはバットを振ることもできず追い込まれる。
(これで最後だ。ちょっと高めに投げてやるか)
中腰になり真ん中高めに構える。ツバサはそれを撃ち抜く勢いで投じると、ことりはその圧力に押されスイング。ボール球を振らされ三振してしまった。
「「「「「・・・」」」」」
ベンチから飛び出しマウンド上で勝利を喜び合うUTXを見ながら顔を伏せる音ノ木坂ナイン。
「ほら、整列に行ってこい」
そんな彼女たちに声をかけ整列に向かわせる。対照的な2チームが向き合うように並び頭を下げると、UTXの主将である英玲奈が穂乃果に手を差し出す。
「いい試合だった。また全国で会おう」
「!!」
その言葉に驚いた後、彼女はその手を握り返す。
「はい!!次は絶対勝ちます!!」
真剣な表情をしているその姿を見て小さく微笑む英玲奈。その様子を見ていた選手たちはそれぞれのベンチに戻ると質問をぶつけてみる。
「なんであんなこと言ったの?」
「ん?何がだ?」
「また全国で会おうなんて・・・随分上からなのね」
「え?上からだったか?」
ベンチを片付けながら先程の英玲奈の行動に疑問を呈する仲間たち。英玲奈は毛頭そんなつもりもなかったらしくみんなからそんなことを言われて動揺していた。
「私は別に・・・ただ思ったことを言っただけなんだが・・・」
「英玲奈らしいわね」
自分の取った行動がおかしかったのかと落ち込んでいる英玲奈を見ながらクスクスと笑っているあんじゅ。他のメンバーたちはひどく落ち込んでいる英玲奈を見て申し訳なくなったのか、優しく声をかける。
「まぁ確かにいいチームだったよね」
「初めてじゃない?8点も取られたの」
「コールドになったのも向こうのミスが絡んだからだしね」
「そうだよな!?まだ粗いところはあったが十分将来性はあっただろ?」
彼女たちのフォローを聞いて普段の冷静な様からは想像できないほどの乗っかりようを見せる英玲奈。そんな彼女の元にダウンのキャ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ