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ソードアート・オンライン 穹色の風
アインクラッド 後編
鼠の矜持、友の道
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と声のまま口を開く。

「オイラがマー坊、トー坊に会ったのは、第一層、“あの宣言”があった直後ダ。《始まりの街》の南にある草原でレベリングしてたのを見つけたかラ声を掛けたけど、まさか二人ともニュービーだとは驚いたナ。まあ、見過ごして死なれるのも寝覚めが悪かったから、フレンド登録をして、二人はオイラのお得意サマになった。コンビの相性はオイラから見ても抜群で、ぐんぐん強くなって文句なしの攻略組として最前線に立ち続けたヨ。……二十四層までは、ナ」
「……それって」

 ――二十四層で、トウマさんは命を落としたのか。言外の問いを含んだわたしの呟きにアルゴさんはちらりと目をくれ、何も聞いてはいないと言わんばかりに話を進めていく。

「丁度二十四層が攻略された頃、オレっちは特ダネの尻尾を掴んでいタ。……お針子NPC、《シェイミ》。当時、まだプレイヤー、NPCのどちらも裁縫スキルの熟練度が低かった時代に突如現れた。熟練度1000レベルの技量を持つNPC。しかし気まぐれに移動しているソイツの実態は闇に包まれていテ、場所はおろか背丈や年齢、性別すら分からない状態だっタ。それでも徐々に当時の低レベルなファッションから抜け出したい一部の中層、攻略組プレイヤーたちの間でシェイミの需要は高く、情報屋は血眼になってソイツを探していたナ。ま、オイラもそんなうちの一人だった。……でもある日、シェイミの居場所を突き止められる、重要情報のリークを受けたんダ。オイラは多額の情報料と時間を投じて、遂にその居場所を突き止めた。そして、ラインナップに加えようとしたところで、トー坊がその情報を買った。オレっちとしては、手に入れた情報は売るのが当たり前だからナ。快く売ったヨ。マー坊の誕生日プレゼントにするって言ってたっけカ? まあ何にせよ――トー坊は、シェイミを尋ねたっきり帰ってこなかった。帰り道をラフコフに襲われたんダ」
「――――っ」

 アルゴさんが遂にその言葉を発した瞬間、全身の毛が逆立つような怖気が走り、その場の全員が息を呑んだ。店内の空気が三度は下がった気がする。

「当時ラフコフは結成したばかりで、大きな《獲物》を探していタ。そこに偶然シェイミの手がかりになる情報を掴んだから、意図的にオイラにリークして、高レベルプレイヤーが《餌》に掛かるのを待ってたんダ。……目先の情報に目を奪われて、情報提供者の裏を取るのが甘かったオイラの責任サ。異変を察したマー坊が救助に向かったものの、間に合わず、マー坊の目の前でトー坊は死んダ。辛うじて後に残ったのは、誕生日プレゼントの洋服と、マー坊が新しいエクストラスキル、《風刀》を取得したという情報だけだっタ。マー坊はそれまでスキルの存在を隠していたが、トー坊の危機で使ってしまったのをラフコフの残党が広めたんダ」
「……そういえば、あのエク
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