EX回:第6話(改2.1)<やはり会場へと>
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(だが、それは何年後の話なのだ? そもそも、こんな未来にまで私は果たして生き残っているのだろうか?)
「あ、目まいが……」
暑さと緊張と混乱。
油断すれば私自身も意識がどこかへ飛んで行きそうだった。
金剛や夕立は既に地面にへたり込んでいる……可哀想に。そんな彼女達をよそに会場の盛り上がりは更に高まっている。
その間にも凛々しい武蔵様が解説を続けていた。
(良いなぁ、あんな強い艦娘が、うちの鎮守府にも来ないかな?)
そんな妄想をする私が半分ボーっとしているとルール説明のアナウンスが始まる。
それを聞きながら繰り返すように呟く赤城さん。
「負けは全滅……または旗艦の撃沈?」
「いや、これは演習だ。それは轟沈判定のことだろう」
思わず反応する私。
(そうか、それなら弱い艦娘を先頭にして、さっさと終わらせようか?)
思わず不謹慎なことを考えてしまった。
「いかん、いかん。反省」
私は思わず独り言を言う。
『では、ただ今より10分間の作戦タイムとなります』
ブルネイの霧島さんのアナウンス。
「作戦タイムって言ってもねえ」
私は、渋々艦娘たちを招集した。
盛り上がる演習会場とは裏腹にスローテンポでゾンビの群れのような我が艦隊だ。
「えーっと」
あまりにも突然の状況に呆然としたままの私。
目の前にいるのは魂の抜けたゾンビ艦娘が2体(金剛と夕立)
ついで元気な4人(日向、赤城さんと龍田さん、強いて言えば比叡)
とりあえず、うちの鎮守府では錬度も高いメンバー。秘書艦と寛代は今回は除外。もともと戦闘タイプではない。
しかし長旅と変な嵐で疲れていることに加えて一時的な受け入れ拒否で焦ったこと。
ついでに異質なブルネイの雰囲気での半ば強引な模擬演習か。
どう見ても勝ち目は無い。
「はあ」
また、ため息が出た。
「司令、私達は大丈夫ですから」
そう言うのは日向。それに同意するように頷く赤城さんと龍田さん。ついでに比叡。
「そうだな」
まだ、この艦娘たちは冷静だ。この面々なら何とかなるだろう。
戦場とは常に修羅場だ。私も決意を固めた。
「改めて言うことはない。知っての通り演習は絶対に沈むことはない。思う存分に戦って欲しい。また相手は友軍であるが我々の知らない兵器や戦法でくる可能性もある。十分用心すること。以上だ」
『はい!』と応えた4名。
「精一杯やってくれ」
そうとしか言えない自分が情けない。許せ!
新兵器の気配がしたのは直感だ。
さっき感じた『未来』というキーワード。それが現実のものとなっている気がする。
数分の作戦タイムは終了した。
実況の霧島さんが伝える。
「では提督、お互いに握手
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