第5章:幽世と魔導師
第129話「守護者討伐と……」
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「え……?」
密かに怒りを秘めたその言葉を聞いて、司は思わず気圧される。
そこへ、制止を振り切ってきた神夜が降り立ち、掴みかかってきた。
「おい!」
「……なんだ」
「なんであんな殺し方をした!一般人も見てる中で、どうして!」
胸倉を掴み、捲し立てるように言う神夜を冷めた目で見返す優輝。
「お前は、未知の強敵をそんな生温い考えで倒せると思っているのか?ああなったのは確実に仕留める際の過程でなっただけだ」
「なっ……!?お前、自分の妹を…!」
「アレは緋雪じゃない。似ているだけの存在だ」
「だからってあんな殺し方をする奴がいるか!ちっとも躊躇わずに殺しやがって……血も涙もないのかお前は!!」
その瞬間、優輝は胸倉を掴む手を、逆に掴み返した。
……そろそろ、優輝も限界だった。
「だったら、どうすれば良いと言うんだ?」
「は……?」
「どうすれば良かったと聞いているんだ!」
胸倉を掴む手を振り払い、優輝は叫ぶように言った。
「っ、それは……」
「血も涙もない?ふざけるな!緋雪の…妹の姿をしていたからこそ!赦せなかったんだよ!!いつまであいつを苦しめるつもりだ!いつまで…いつまで化け物扱いをするんだ!!」
緋雪の姿をしているからこそ、優輝は速やかに倒した。
その存在そのものが、緋雪を化け物扱いし、貶めているように見えたから。
「っ…だ、だけど、お前が妹を殺した事実は変わらない!この人殺しが…!」
「……敵の言う事を鵜呑みにするなと言いたい所だが……ああ、そうさ。どんな形であれ、僕は人殺しさ。妹をこの手で殺めた、人一人も救えない愚か者さ!」
「開き直ったか!この屑野郎が!」
言い返す優輝に、神夜はアロンダイトを振るう。
だが……。
ギィイイン!
「なっ……!?」
「……ダメだよ」
「あんた達!いい加減にしなさい!!」
それは司のシュラインによって防がれ、また恐れの視線を向けていた校舎の皆に対しアリサが大声で一喝した。
「……別に、自分で何とかしたんだけどな」
「……だったら、そんな苦しそうな表情をしないでよ、優輝君…!」
「苦し、そう…?」
司に指摘され、優輝は咄嗟に顔に手をやる。
……確かに、苦しそうに歪んでいた。
「……嗚呼、そうか。嫌、だったんだな」
「当然だよ。……誰だって、大切な家族の事を勝手に言われたら嫌だよ」
「……司、ありがとう。落ち着いたよ」
息を吐き、少し気を落ち着ける。
「……一体、これはどういう状況なのかしら?」
「椿、葵。戻ってきたのか」
「私もいるわ」
そこへ、椿と葵
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