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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第129話「守護者討伐と……」
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「何を……!」

「お前じゃ、緋雪やシュネーには到底敵わないって事だ!」

   ―――“導王穿貫掌(どうおうせんかんしょう)

 放たれた掌底が“狂気”の腹を穿つ。
 掌に込められた霊力は“狂気”の体を貫通し、風穴を開けた。

「かはっ……!?」

「終わりだ“狂気”。生憎、この結界による精神干渉など…哀しみ、苦しんでいた緋雪やシュネーの表情に比べれば、どうって事ない!」

「っ……!?」

   ―――“疾風迅雷”

 愚直なまでの一直線な動き。しかしそのスピードは計り知れない。
 さらには、短距離転移を多用し、様々な角度から斬りかかった。
 ……超高速の斬撃が“狂気”を襲った。

「っづ……!」

「まだ息がある上、傷つけた傍から再生するか……なら」

 まともに攻撃を受けたため地面へと落ちていく“狂気”。
 それを先回りするように優輝は転移で地面に降り立つ。
 ……そして…。

「一歩、無間」

     ドンッ!

 一歩踏み出し、瞬時に“狂気”の落下地点近くに間合いを詰める。
 まさに“間”合いなど“無”し。距離などあってないようなものだった。

「二歩、震脚」

     ズンッ……!!

 霊力と魔力の入り混じった力が、脚を伝い地面を震わせる。
 その凄まじさは結界にまで及び、空間に罅が入る。

「三歩、穿通!!」

   ―――導王流弐ノ型奥義“終極”

「―――――」

 そして、最後の一歩と同時に落ちてきた“狂気”を再び打ち上げた。
 正しくは、“狂気”の(.)(.)(.)をアッパーで上空へ飛ばした。
 ……そう。今の一撃で“狂気”の体は上下に分かたれていた。
 また、その余波により結界が崩壊していった。

「…………」

「っ……あは、さすが…ムート(お兄ちゃん)……」

「終わりだ」

 上空へ飛んだ“狂気”に回り込むように優輝は転移する。
 力なく優輝を見てそういう“狂気”に、優輝は容赦なくシャルを突き立てた。







     ドン!

「っ……!」

 何かが崩壊する音と共に、校庭に突き立つように何かが落ちてくる。
 さらに遅れてもう一つ“ドサリ”と何かが落ちてきた。

「っ…!?あれ、は…」

「うっ……!?」

 その落ちてきた正体に、司は言葉をしばし失い、玲菜は吐きそうになる。
 玲菜だけではない。それを見たほとんどの者が吐き気を覚えた。

「…っ、守護者とはいえ、体の構造は同じ……か」

「うっぷ…私も無理……」

 司も気分を悪くし、アリシアもまた吐きそうになっていた。
 ……当然だ。遅れて落ちてきたのは“狂気”の下半身。
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