第5章:幽世と魔導師
第129話「守護者討伐と……」
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魔力や霊力の矢。そして斬撃。
それらを優輝はいなし、躱し、防ぎ、凌いでいた。
振るわれた剣を紙一重で上体を反らして避け、次に繰り出される斬撃を受け流す。
襲い掛かる魔法や霊術をひらひら舞う木の葉のように避け、時には切り裂いた。
「さ、聡、見える?」
「……いや、速すぎて何をやっているのか…」
「(……まぁ、普通はそうだろうね…)」
斬撃が繰り出され、魔法や霊術が振るわれる度、周囲へ被害が広がる。
司の結界で校舎や住宅にこそ被害は出ていないものの、校庭は荒れに荒れていた。
斬撃を避ければ地面が切り裂かれ、魔法や霊術を避ければ地面が爆ぜる。
「っ……!」
―――“導王連掌波”
刹那、連続で襲い掛かった分身三体を優輝は連続で吹き飛ばした。
全てがカウンターによる掌底。攻撃を誘導し、逸らした上での反撃だった。
敵の攻撃さえも導く導王流だからこそできた事だった。
「危ない…!」
「つ、司さんは見えてるのか?俺にはもう何が起こっているのか…」
カウンター後に本体から攻撃されたのを見て、思わず呟く司。
その呟きを聞いて、高速で行われている戦闘が見えているのかと尋ねる聡。
なお、その攻撃はあっさりと弾いて逸らしていた。
「まぁ、ね…。分身で力が落ちているとはいえ、多対一って言うのは厄介だよ」
「よっ…と。優輝だからこそ大丈夫だとは思えるんだけど…やっぱり、実戦って言うのは怖いものだね」
戦闘から目を離さずに会話していると、そこへアリシアがやってくる。
窓の外にある縁に腰かけ、冷や汗を垂らしながらもそう言った。
「て、テスタロッサ先輩!?」
「はろはろー…なんて、気楽にいられる訳ないよね。司、一応伝えておくけど、他の妖はあまり寄ってきてないみたい。だから今はあの緋雪そっくりな妖に注意しておけばいいよ」
「伝達ありがとう。……そろそろ、状況が変わる頃だよ」
司がそういうや否や、優輝が分身を倒し始める。
相手の攻撃すら利用した一連の流れに、驚愕と同時に凄さを感じていた。
「……え…?」
「……消えた?」
しかし、その直後。“狂気”が何かを発動させた瞬間、姿が消えた。
優輝と共にいきなり姿を消した事に、皆が困惑する。
「……司」
「うん。…結界の反応がある。多分、何かしら特殊な結界に取り込んだんだと思うよ」
「優輝は…無事なのか?」
「分からないよ。…でも、きっと大丈夫。」
いつも困難を乗り越えてきた彼だからこそ。
そういった信頼を込めて、聡の問いに司はそう答えた。
「っぁあっ!!」
ギ
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