第5章:幽世と魔導師
第129話「守護者討伐と……」
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……この場において、驚愕しなかった者は存在しなかった。
優輝が妖にとの戦闘で校庭に突っ込んできた事。
優輝と妖の力の凄まじさ。妖の容姿が明らかに人間だった事。
何よりも、知っている者にとって、その妖の存在は驚かざるを得なかった。
「吹き飛べ」
ドンッ!!!
しかし、一つの事に驚き続ける暇もなかった。
その妖は優輝のカウンターにより吹き飛ばされ、校門から飛び出していった。
「嘘……だろ…?」
「今のって……」
優輝のクラスメイト、聡と玲菜も驚きのあまり声を漏らす。
それは、優輝の力ではなく、妖の姿に対する驚きだった。
「っ……!?」
今度は優輝から力が渦巻く。
霊力も魔力も感じ取れない一般生徒にはわからないが、それは霊力と魔力を掛け合わせる事による一種の反則技。出力を誤れば負担で体がボロボロになる代物だった。
ギィイイン!!
「っ、まずっ!?」
「うわあああああ!?」
「きゃああああ!?」
優輝のシャルと、妖の大剣がぶつかり合い、衝撃波が広がる。
咄嗟に司がジュエルシードの魔力で防いだ事で、強風程度に抑える。
「これは……周りに被害が出るね……」
〈隔離結界を張っておきます〉
「シュライン、よろしくね」
周りにも被害が出ると断定した司はすぐさま結界を張る。
優輝と妖を包み込むように空間の位相をずらし、周りに被害が出ないようにした。
「……司さん、あれって……」
「気づいた?…うん、あれは緋雪ちゃんだよ」
「でも、死んだはずじゃ……」
司が衝撃波を防ぐ際、聡たちの近くに来ていた。
聡は何か知っているのかと思い、司に尋ねた。
「……そう。死んだはず。だから、あの緋雪ちゃんは偽物のはずなんだよ。優輝君も、それは分かってるみたい。……だけど、あれは…」
「……笑ってる…」
「うん。まるで、狂っているかのよう」
笑いながら優輝を攻撃する緋雪の姿をした妖。
それを見て、大部分の生徒が恐怖に陥る。
「……司さんは、止めないのか?」
「……止められないよ。あの戦いには割り込めないし、優輝君の邪魔になる」
「でも、偽物とは言え妹の姿をしている相手と…!」
明らかな殺し合い。だからこそ止めたいと聡は思った。
だが、司は割り込めない。戦闘が激しく、優輝の戦闘スタイルの関係で不用意に参戦するのは返って邪魔になってしまうと分かっていたから。
そして、何よりも……。
「……だからこそ、だよ」
「え……?」
「緋雪ちゃんの姿をしているからこそ、
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