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ウルトラマンカイナ
最終話 旅立ちと再起
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るぞ!」
「了解ッ!」

 絶え間ない恐竜戦車の砲撃により、窮地に立たされていたBURKの隊員達が、息を吹き返していく。そんな人間の強さを一瞥しつつ、「ウルトラマンカイナ・スカーレットブラスター」は、紅い拳を構えて仇敵に向かって行った。
 そんな死に損ないに業を煮やし、恐竜戦車は先ほどカイナを沈めた一斉砲火を叩き込む。――が、父の形見を纏い生まれ変わったカイナの装甲は、傷一つ付かない。

『デュワッ! デアァアッ!』

 無数の砲撃を浴びても、ミサイルを撃ち込まれても。カイナは一歩も下がらず、恐竜戦車の顔面に拳打を見舞う。矢継ぎ早に飛ぶ真紅の鉄拳が、怪獣の貌を打ち据えて行った。

 今度こそ、仕留める。その一心を胸に、側転で距離を取ったカイナと弓弦は――紅い鋼鉄の鎧を、念力で分解した。すると、そのパーツひとつひとつが宙を舞い、鎧とは異なる形状に合体していく。
 ――やがて、メタリックレッドの巨大な弓矢が完成し。それを手にしたカイナは恐竜戦車に向け、赤い光線の矢を一気に引き絞った。

「行くぞ……カイナ!」
『あぁ……ユズルッ!』

 この一撃は、絶対に破らせない。その不退転の決意を纏う、真紅の弓矢が激しく閃き――

『ゼナリウムッ……ブラスタァアァアアァアッ!』

 ――今度こそ。恐竜戦車の躰を、貫くのだった。

 紅い光の矢に貫かれた怪獣の体内で、全ての砲弾とミサイルが誘爆し……その全身を、爆炎が飲み込んで行く。
 やがて、その巨体が爆散し、肉片が天に舞い上がった時。この戦いは、終わりを告げたのだった。

「やった……やったぞ!」
「ありがとう……ウルトラマン!」

 BURK隊員。テレビから、この戦いを見ていた民間人。バスの中から、戦局を見守っていた付属高校の生徒達。
 全ての人々から歓声が上がり、カイナの奮闘を賞賛していた。

(ほら……カイナ。これは、君が掴んだ勝利だよ。君が、勝ち取った平和だ)
(……お、俺……やれたんだな……本当に……! う、ぉ、ぉお……!)

 その声を一身に浴びて。鎧姿に戻ったカイナは涙を堪え、泣き顔を見せないように――何処かへと飛び去ってしまう。手を振る人々のエールを、その背中に浴びながら。

 ◇

 ――空の彼方を駆け抜けた先。戦いを終えたカイナの前には、偉大な人物が待ち受けていた。

(あなたは……そうか、あなたが……)
『勇敢な地球の少年よ。私は、宇宙警備隊隊長のゾフィー。……君のおかげで、暴走した宇宙怪獣からこの星の人々を守ることができた。ありがとう』
(ゾフィー隊長……)

 カイナと弓弦の前に現れた、伝説の巨人――ゾフィー。カイナブラスターを授け、この戦いを勝利へと導いた彼は、弓弦に感謝の言葉を告げると……カイナの人格に目を
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