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ウルトラマンカイナ
最終話 旅立ちと再起
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―その頃。瓦礫の中から目覚めた弓弦は、コンクリートの破片を押しのけながら立ち上がり、手にしたカイナカプセルに視線を落としていた。
 カイナを勝たせてやれなかった自責からか、その表情は沈痛な色を湛えている。

「……カイナ……!」
『ユズル……済まない……! 俺の力が、足りないばかりに……!』
「謝るのは……俺の方だよ。君に、こんな無理をさせて……」

 やはり一度挫けてしまった自分達では、あの恐竜戦車を破ることは出来ないのか。そう、弓弦までもが折れかけてしまった――その時だった。

(――諦めるな!)

「……ッ!?」

 どこからか、威厳に溢れた声が響き渡ってくる。これは……カイナの時と同じ。頭の中に、直接声が入り込んでくる感覚だ。

(君達はここに辿り着くまで、苦い挫折を味わった。苦しみを知った。そんな君達だからこそ、掴める未来があるはずだ)
「……あなたは……!?」
(あの怪獣を倒し、未来を掴んで見せろ。答えは、その向こうにある)

 弓弦の問いには答えないまま、声の主は戦いを促す。眼前に現れた、眩い輝きの中から――赤いクロスボウガンが現れたのは、その直後だった。無意識のうちにそれを手に取った弓弦は……そこに、カプセルの差込口があることに気付く。

「これは……!?」
(カイナブラスター。……かつて、勇士司令部の戦士だった彼の父が使っていたものだ。君達の未来には、必要なものだろう)
『親父の、形見……!』
(さぁ……行くのだ、若きウルトラマンよ。君達の未来は、君達の手で拓け)

 カイナブラスターと呼ばれる、赤いクロスボウガン。それを託してから間も無く、「声」は消えてしまった。だが、彼の言葉が聞こえなくなった今でも……やるべきことは、分かっている。

「……カイナ!」
(あぁ……頼む、ユズル! もう一度、一緒に戦ってくれ!)
「分かった……! 行くぞッ!」

 弓弦はカイナブラスターの差込口に、カイナカプセルを装填する。そして、雄叫びと共に――空に向かって引き金を引くのだった。

「カイナァアァァッ!」

 刹那。眩い電光が彼の全身を包み込み、その輝きは光の柱となる。

『シェアァッ!』

 ――紅いプロテクターで上体を固めた、新生ウルトラマンカイナが顕現したのは。その、直後であった。

 ◇

 肩と胸、そして両腕を固める、メタリックレッドの増加装甲。その荘厳な鎧「カイナテクター」を身に纏い、再び立ち上がったカイナの姿は――劣勢に立たされていたBURKに、希望の火を灯していた。

「隊長、見てください! ウルトラマンが……ウルトラマンが復活しました!」
「また立ち上がったのか!? ――ふっ、随分と血の気の多いウルトラマンだな! 各員、あのタフガイの援護に回
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