第2話 恐竜戦車と光の巨人
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。例の怪獣、そっちを狙い始めてやがる。奴は俺達がなんとか抑えるから、お前は速やかにお嬢様を安全なところへ送り届けてやれ!』
「りょ、了解!」
琴乃は弓弦の正体に息を呑むと――梨々子の手を引いて外へ飛び出す彼に続き、博物館を後にする。すでに外には、付属高校の生徒を乗せた避難用バスが待っていた。
――刹那。
「きゃあぁああ!?」
凄まじい爆発が辺りを襲い、梨々子の悲鳴をかき消した。弓弦はとっさに彼女の上に覆い被さり、彼女を火の手から庇う。
その鋭い視線は――爆発の原因である、遠方の怪獣に向けられていた。
恐竜の上半身と、戦車の下半身を持つ、異形のサイボーグ怪獣――「恐竜戦車」。それが、ウルトラ記念博物館を襲った宇宙怪獣の正体だったのである。
すでに駆け付けたBURK隊員が戦闘を始めているらしく、恐竜戦車の周囲にはBURKガンの光線が飛び交っていた。
「怪獣の攻撃がここまで及んでいるなんて……私も応戦しないと!」
琴乃は弓弦と梨々子を庇うように前に立ち――民間人の服を脱ぎ捨て、その下にあるBURKの制服を露わにする。
ミニスカートから覗く白い太ももが、バスに乗っている男子生徒達の注目を集めていた。――智花をはじめとする女子生徒達の顰蹙を買ったのも、その直後である。
琴乃は腰のホルスターからBURKガンを引き抜き、恐竜戦車の方へと向かっていく。――次の瞬間、怪獣の凶眼が彼女の方へと向けられた。
「危ないッ!」
その視線から危険を察知した弓弦は、咄嗟に琴乃を突き飛ばす。彼の足元で爆発が起き、彼の身が吹き飛ばされたのは、その直後だった。
「かっ……風祭君ッ! いやぁあぁあ!」
「梨々子、乗って! あの怪獣、こっちを狙ってきてる! もう、もうダメだよ!」
その光景を目の当たりにしてしまった梨々子は、絶叫を上げてへたり込んでしまった。だが、恐竜戦車の狙いはこちらに向かい始めていた。急がねば、生徒全員が危ない。
智花は懸命にバスから呼びかけ、梨々子を乗せようとする。だが、彼女は地面にへたり込んだまま動けなくなってしまっていた。
(私のせいだ……! 地球を守るBURKの隊員が、なんたるッ……くそォッ!)
この事態に責任を感じた琴乃は、唇を噛み締め――暫し逡巡した後、意を決したように顔を上げる。
そして、へたり込んだままの梨々子に肩を貸して強引に立たせ、バスに乗せるのだった。
「梨々子お嬢様、私は彼の救出に向かいます。あなたは何としても、一刻も早くここから逃げてください! ――運転手、早くバスを出せ!」
梨々子に自らの決意を告げた琴乃は、BURKガンを手に走り出す。目指すは、弓弦が吹き飛ばされた方向だ。
「待っていろ、風祭君! 借りは
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