暁 〜小説投稿サイト〜
神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・前半-未来会議編-
第十章 夜中の告白者《4》
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
合、責任を問われるのは神州瑞穂の代表である自分達で御座るからなあ」
 それを聞いて、実之芽は理解した。
 黄森が近接戦で取り押さえを行わないのは、日来の長を潰すためだ。打撃弾は当たったときの衝撃は大きく、それを何発も同じに場所に撃たれれば骨折を狙うことが出来る。つまり黄森は、日来の長を潰すことで早々に日来の降伏を狙っているのだ。
 その保険に打撃弾ってわけね。
 通常の弾では体に当たった瞬間、身体に穴を開けるように貫通する。それでは殺害の要因となり、他国からそれを追求されれば言い返すことは出来ず、それが招くものは必然と黄森にとっては不利なものだろう。
 だが打撃弾の場合は、当たったとしても貫通せずに衝撃を当たえるだけだ。頭を狙えば早いが、これでは先程と同じ殺害の要因となってしまう為行えない。
 ならば頭ではなく、もしもの場合が起きてもいいところ。手や足を狙い意図的に骨折を招く。そうすれば、取り押さえるために仕方なかったと言い訳が出来る。
 後は簡単だ。
 身体中骨折していまえば、入院せざる負えない。そこで黄森は日来の長がいない間で、物事を急速に進ませれば日来は終わるってわけね。
 やることが汚いと、実之芽は思った。
 自分達の代表がこんな者達で、それに下っている自分達は情けないと思う。
 しかし、だからこそ恐ろしいのだ。
 目的の為なら手段を選ばない、黄森に逆らえば何をされるか分からない。
「今は耐えるで御座るよ」
 介蔵が言う。考えても意味がない、と。
 だから考えるのを止めた。
 気持ちを変えるように、実之芽は話す。
「日来長の様子は?」
「奏鳴殿がいないのを自分達の様子を見て確認して御座った。しかし走るのを止めず、後ろからは弾丸を受けているで御座る」
「一体何をそこまでするのかしら」
「解らぬで御座るか」
 ええ、と実之芽は言う。
 気温が下がっているからなのか、動いていないからなのか、手足の先が寒さで麻痺に似たものを得ている。
 両の手を擦り、そこに息を送った。
 そして、
「ほんと馬鹿みたいだわ。そこまでやっても何もならないじゃない」
「日来の長は本当に救う気なのかもしれぬで御座るな。このご時世、あそこまで出来る御仁はなかなか見かけぬで御座るよ」
「彼がやらなくても、私達がやるわ。救うチャンスはまだ……」
「そうで御座るな。ならば今自分達がすることは長の進行を止めることに御座る」
「行くのね?」
「黄森の思い通りには行かせぬで御座る。少しは抗わねば後輩達にも示しがつかぬで御座るので」
 では、と言い介蔵は装甲を蹴り飛ばした。
 彼は上に飛んだ。
 上を向くと、そこにはさっきまでここにいた介蔵が宙に浮いていた。
 曲線を描きながら、落ちていく。
 その落下地点に近づくのは、日来の長
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ