第百二十七話 宮殿侵入
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めてであった。
ドゥンケル艦長は細心の操艦で離れられないために、テレーゼ達を迎えたのは、副長アルフレート・ミュールマイスター中佐、所謂エヴァンゼリン・ミッターマイヤーの父親である。彼は、捕虜交換後加療中で有ったが、昨年、完治後にベルゲングリューン達がローエングラム艦隊参謀になった関係で開いたポストへ配属されたのである。
因みに昨年、付き合っていた一回り若い看護婦と再婚している。因みにエヴァンゼリンのお友達ヴァネッサ・フォン・リヒトホーフェンがテレーゼだとは全く知らない。
「テレーゼ殿下、ご無事で何よりでございました」
「御苦労、早速艦橋へ参るぞ」
「御意」
艦橋へテレーゼ一行が到着すると艦橋要員が全員が跪いて挨拶しようとするが、それを制して話しかける。
「良い、挨拶は無用じゃ。皆の忠節感じ入る。今は皆の職責を全うして欲しい」
「「「「「御意」」」」」」
テレーゼの言葉に艦橋要員が直ぐさまキビキビと仕事を続ける。
「艦長、この艦でノイエ・サンスーシの湖に着水は可能か?」
「お任せ下さい、確と着水致します」
「任せる」
「御意」
テレーゼは、艦長に確認をした後、オフレッサーに向き直し話し始める。
「オフレッサー、行けるか?」
「お任せ下さい」
「相手は、ローゼンリッターのリューネブルクだ」
「奴等とは何度となく戦い続けてきました、此処でケリを点けるのも何かの縁かも知れません」
「無理な願いをして、済まんな」
「何の、陛下と殿下に受けた恩顧を少しでもお返ししたい所存」
「父上を頼む」
テレーゼがオフレッサーに頭を下げて願うと、オフレッサーを含めた全員が驚いてしまう。
「殿下、頭をお上げ下さい。私のような者にその様な姿を為されたら、殿下の威厳に関わります」
オフレッサーの言葉にテレーゼは頸を振って答える。
「妾は、未だ12じゃ、皆の協力が無ければ何も出来ん、何も知る事も出来ん、ましてや父上を助ける事すら出来ん、そして危険と判っていても、オフレッサー達を送り出す事しか出来ん、皆すまん」
その言葉にその場にいた全員が自然と頭を垂れて涙ぐむ者すらいる状態になった。
「殿下、このオフレッサー、一命を賭しても陛下をお助け致す所存」
「オフレッサー、頼む」
「御意」
オフレッサー達は装甲服を着用し強襲揚陸艇へと移動して行く。
強襲揚陸艇発艦の準備が済み、ラプンツェルはノイエ・サンスーシに侵入する。
帝国暦483年8月5日 午後0時15分
■オーディン ノイエ・サンスーシ
本来、宇宙空間でさえ、ノイエ・サンスーシを見下ろす位置に人工衛星の軌道を通す事すら不敬に当たるとされてきたにもかかわらず、戦艦が侵入してきたのであるから、ノイエ
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