第百二十七話 宮殿侵入
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した。又後続としてキルドルフ大佐指揮下の1,000名も順次地下迷宮から躍り出てくる。
各人とも無線も肉声も使わずに、ジェスチャーだけで意思疎通を行い宮殿内へ侵入していく。宮殿内ならば、何度となく通ったランズベルク伯が、先頭を行きながら、倒れている女官、文官を、取りあえず縛り上げ猿轡をして、部屋に閉じ込めていく。此は万が一にも敵のスパイが居た場合と、騒がれるのを防ぐためであり、更に突入の巻き添えにさせないためでもあった。
ライムバッハー上級大将達はケスラー少将からの連絡で、ケーフェンヒラー中佐と合流した。
「装甲擲弾兵総監ライムバッハー上級大将である」
「皇帝陛下侍従武官ケーフェンヒラー中佐であります」
ケーフェンヒラー中佐は、怪我をしながらも気丈に立ち敬礼を行う。直ぐさま衛生兵が手当を始める。
そして、モニターでケスラー少将と挨拶もそこそこに話し皇帝陛下救出の作戦を検討し始める。
「テレーゼ殿下が、現在戦艦でノイエ・サンスーシに突撃しようとしています」
「なんと、殿下も無茶な事を」
中々隙を見せない皇太子の姿にいらだちを見せながらも、ライムバッハーは冷静に聞き、ケスラーが示す突入方法と侵入経路に納得をした。
「つまり、オフレッサーが強襲揚陸艇で側面から突入する直前にA部隊は天井から陛下と敵の間に飛び降りる訳か、そしてB部隊が陛下の後方の壁をぶち抜き、陛下をお救いする訳だな」
「そうなります、全てはタイミングが重要です」
ケスラーの真剣な表情にライムバッハー以下全員が再度神経を研ぎ澄ました。
天井裏には、ライムバッハー自らが、ゼルテ少佐など一騎当千の強者を10人で忍び込む、10名では少ないような気もするが、素早くするために必要最低限で行くしかないからである。又壁破壊はキルドルフ大佐達が請負い、突入部隊にはランズベルク伯も参加していた。
いよいよ、皇帝陛下の救出の作戦が発動されるのである。
宮殿を取り囲む近衛第1、第2、第3大隊は、少しずつ宮殿内を占拠していく、装甲擲弾兵に全く気がつかない状態で有った。何故なら、まさか敵が内部から発生するとは思いも依らずに、外部ばかりを気にしていたためである。
謁見の間天井裏に到着したライムバッハー以下10名は赤外線探知装置とケーフェンヒラー中佐からの連絡によりにより各人の位置を把握し準備を終え、今や遅しと突入を待ち構えていたのである。
帝国暦483年8月5日 午前11時40分
■オーディン 戦艦ラプンツェル
艦長ドゥンケル大佐の見事な操艦でラプンツェルとトレプトウは併走しながら連絡艇を行き来させ、テレーゼ一行はラプンツェルへと御座所を移した。テレーゼ自身停泊中のラプンツェルは訪問した事があったが、実際に航行しているのは此が初
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