第15話 追い縋る因縁
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言葉の全てを、飲み込んでしまった。
歴戦のペイルウイングですら、一瞬で黙らせる狩人の眼光。第一次大戦から戦い抜いて来た古強者だけが持つ、その抗い難い気迫を浴びて――バーナデットは、何も言えなくなってしまった。
「……ローランズ教官は、皆さんの避難をお願いします。あなたはこの先もずっと、イギリス支部には必要な方ですから」
「……その中に、君はいないのか」
「いたらいいな、ぐらいには思います」
整備が終われば、彼はすぐにでも出動してしまうだろう。そう思い至ったバーナデットは、リュウジの作業を遅らせようとするかのように、声を絞り出し話し掛けていく。
――それはまるで、少しでも長く。彼が「生きていられる時間」を、与えようとするかのようだった。
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