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うぬぼれ竜士 ~地球防衛軍英雄譚~
第10話 再会、義兄と義妹
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 復興作業に奔走しているのは、何もEDF隊員だけではない。ロンドン市民の多くも、資材を乗せたトラックを運転したり、食事を提供したりと、各々のやり方でロンドンの栄華を取り戻すべく奮闘している。

 そんな彼らの姿を、微笑を浮かべて見守りながら、昭直は街中を歩んでいた。EDF高官の制服に身を包む彼の姿に、ロンドン市民やEDF隊員達の注目が集まる。

 ――だが、それ以上に。そのそばに控えている絶世の美少女二人に注がれる視線は、焼け付くような熱を帯びていた。
 「白金の姫君」と呼ばれる凄腕のペイルウイングであり、ロンドン市民のアイドルでもあるエイリング家の令嬢フィリダ。その近くを歩む、一文字かりん。
 彼女達二人の美貌は、EDFも民間人も問わず、全ての男性の視線を釘付けにしていた。

 とりわけ、氷のような冷たさすら感じさせる切れ目を持つ、かりんに向かう眼差しの群れは、灼熱のように滾っている。
 日本人離れした色白の肌に、艶やかな黒のショートボブ。滑らかなラインを描く腰のくびれや臀部に、豊かな双丘。スカートの裾から覗く、肉感的な太腿、脚。
 その澄ました表情とは裏腹な、扇情的な肢体に、男達は強烈に本能を刺激されているのだ。たまたま近くを通りがかっていた若い衆の何人かは、不自然なタイミングで前屈みになっている。

「……」

 そんな彼らを、かりんはまるで――焼却炉に放り込まれていく生ゴミを見るような目で一瞥していた。その冷酷な眼差しに、隣を歩いていたフィリダは悪寒を感じている。

「しかし、随分と急な視察ですね。何か、我が支部の復興体制に参考になる部分でも?」
「ああ……。ここは、第二次大戦の最初の戦場だったからな。受けた被害は確かに甚大だが、その分取れたデータの数も多い。この街の復興要領は、大いに勉強になる」
「そうですか……。私も、共に地球を守るべく戦った同志の1人として。貴国の1日も早い復興をお祈りします」
「ありがとう。――それともう一つ、私的な用事もあってな」
「私的な用事……?」

 一方。昭直の言葉に、バーナデットは眉を潜めた。副司令ほどの人物が、戦後という混迷の時代の中、わざわざイギリスまで来るほどの「私的な用事」。
 それがただならぬことであるということは、容易に想像できるからだ。

「うむ。――実を言うと、息子に会いに来たのだ。正しくは、義理の息子だがな」

 そんなバーナデットの胸中を、知ってか知らずか。昭直は彼女に視線を移すと、あっさりと用件を告げるのだった。

 直後。

「おーう、フィリダじゃねぇか。そこのおっさんとデートかい?」

 向かいの車線からやって来た1台のトラックが、昭直達の近くに停車した。資材を大量に積んだ、そのトラックを運転していた青年――アーマンドが、車
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