第四十一話 二人の結婚
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そうなのですか?」
「ああ、本当は兄上は凄い人なんだよ」
「……そうなんですか」
「兄上が、いつの日か認められると確信しているよ。では、僕はこの辺で……」
「はい、パーティーを楽しんで下さい」
「ありがとう、二人ともお幸せに」
そう言ってシャルルは、貴族達の中に消えた。
暫く二人はパーティーを愉しんでいると、会場に流れていた音楽が変わった。
これはダンスの合図だ、貴族の、取り分け男達は貴婦人らにダンスの申し込みをし始めた。
このパーティーの主役であるマクシミリアンとカトレアは、次から次へと挨拶に来る貴族達の相手をしていた為かヘトヘトだった。
「カトレア、いつぞやの約束を果たそうか」
マクシミリアンは仰々しくカトレアの前に立ち、
「僕とダンスを踊ってくれませんか?」
と言った。
「喜んで……お受けいたしますわ」
カトレアの目が少し潤んだ。
「泣くなよ」
「ごめんなさい、でも嬉しくて」
(結婚式では泣かなかったのに)
そんなカトレアをマクシミリアンは、ますます好きになった。
「行こうカトレア。これから、もっと幸せになろう」
「はい、マクシミリアンさま」
カトレアは差し出されたマクシミリアンの手をとった。
……
ザワッ
マクシミリアンが、カトレアの手を引いてダンスの輪に加わると場内の雰囲気が変わった。
二人のダンスは完璧で、他の貴族達のダンスが霞むほどだった。
「上手いなカトレア」
「マクシミリアンさまこそ、大変お上手ですわ」
ダンスを踊る二人を、周りの人々は羨む様に眺めた。
「仲の良い事だな」
エドゥアール王は、遠巻きに見ながら言った。
「エドワード様、私達も二人の結婚を祝って、ダンスに参加しましょうか」
隣のマリアンヌ王妃がダンスに誘った。
「うん……そうだな、久々に踊ろうか」
ワッ、と貴族達から驚きの声が上がった。国王夫妻がダンスに参加したからだ。
「父上!?」
「マクシミリアン。我々も混ざろう」
「マリアンヌ王妃殿下!?」
「お養母様と呼んでもいいのよ?」
他の貴族達は、4人の見事なダンスに拍手喝采だった。
その後もパーティーが終わるまで4人は踊り続けた。
☆ ☆ ☆
パーティーが終わり、新居となる新宮殿へ戻ったマクシミリアンとカトレアの二人は、ダンスによる疲労とワインの酔いでフラフラになりながらも4階の自室へ戻った。
自室のすみには、カトレア
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