第四十一話 二人の結婚
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とう!」
「ありがとうございます」
パーティーが始まって、マクシミリアンとカトレアは、アルビオンのジェームズ王など国賓に礼を言って回っていたが、途中ジョゼフに捕まり、子一時間ジョゼフのおしゃべりに付き合わされていた。
「先の戦いでの、マクシミリアン王子の電光石火の用兵には、このジョゼフ関心いたしましたぞ!」
「あはは、ありがとうございます」
「是非、この『無能王子』めに『賢王子』の成功の秘訣をご教授願いたいのだが」
「それは……」
次から次へと尽きる事のない話題に、辟易し始めたが、マクシミリアンに助け舟をした者がいた。ガリア王国第二王子のオルレアン公シャルルだった。
「兄上、マクシミリアン王子が困っています。そろそろこの辺りにしては如何でしょう?」
「おお、シャルルか! これはマクシミリアン王子の事も考えずに失礼した。何しろ『無能王子』ゆえに、その辺の事が分からなかったのだ。マクシミリアン王子、申し訳なかった! ハハハハハハ!」
「いえ、お気になさらずに。大変面白いお話でした」
何かにつけ自分の事を『無能王子』と卑下するジョゼフに違和感を感じながらも、当たり障りの無い返事を返した。
ジョゼフは、ガハハと笑いながら去っていった。
「すまなかったね、マクシミリアン王子」
「オルレアン公」
「兄上は、先のトリステインの内乱でのマクシミリアン王子の活躍を聞いてから、何かと気にかけるようになってね」
そう言ってジョゼフの方を見た。
ジョゼフは、エドゥアール王やアルビオンのジェームズ王達と何やら楽しそうに話していたが、その一挙手一投足に王家としての教養は感じられず、周りにいた貴族達はジョゼフの行動を卑しそうに見ていた。
「……」
マクシミリアンは、またも違和感を感じた。まるでサーカスのピエロの様に笑われることを目的としているように思えたからだ。
そこから導き出された一つの人物像。若い頃は『うつけ』と言われ、後に大勢力までのし上がり、天下統一まで、あと一歩まで近づいたが部下の裏切りで非業の死を遂げた、マクシミリアンが大好き男。マクシミリアンはジョゼフが若い頃の織田信長の姿にダブって見えた。
マクシミリアンは、ジョゼフへの警戒を一段階引き上げる。
急に黙ったマクシミリアンに、心配そうな顔をしたカトレアが話しかけてきた。
「マクシミリアンさま?」
「ああ、ごめんカトレア」
「兄上がどうかしたのかな?」
「オルレアン公。ジョゼフ王子は、いつもああいう感じなのですか?」
「四六時中……という訳ではないけどね。けど勘違いしないで欲しいな。兄上は魔法こそ使えないが、皆が言うような『無能王子』などでは無いよ」
「
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