第四十一話 二人の結婚
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てください」
「ありがとう、カリーヌ夫人」
カリーヌ夫人とエレオノールは部屋を出て行った。
「マクシミリアンさま、如何でしょうか、綺麗ですか?」
「カトレア、とっても綺麗だよ」
「ありがとうございます、マクシミリアンさま」
カトレアは、ウェディングドレス姿で椅子に座り嬉しそうにはにかんだ。
このウェディングドレスは、アントワッペンのマダム・ド・ブランの新作で、上等なシルクがふんだんに使われている。
「ここまで来るのに色々あったけど。ようやく、ここまで漕ぎつけたよ」
「わたし、もう……幸せすぎて、涙が出そうです」
「絶対に幸せにしてみせるよ」
「はい、幸せにして下さい」
そう言って、軽くキスをした。
そして、式の内容などスケジュールをカトレアと話していると、ノックと共に神官が入ってきた。いよいよ、二人の結婚式が始まる。
☆ ☆ ☆
厳かな雰囲気で結婚式は始まった。
大聖堂には、エドゥアール王とマリアンヌ王妃のトリステイン国王夫妻と、アルビオン国王ジェームズ1世、ガリア王国の2人の王子を始め、多くの貴族が参列した。
先の内乱で、大幅にその数を減らしたトリステイン貴族だったが、未だ多くの貴族が居た。
もっとも、生き残った貴族のほぼ全ては、この結婚式に欠席して王家の不興を買いたくない一心で、この結婚式に参加した者ばかりだった。
一方、国賓の者たちは、傾いた財政を復活させ、しかも大胆な改革を成功させ、先の内乱で雷名を轟かせたマクシミリアン『賢王子』に興味を示して、どういう人物は見定めようという目的で乗り込んできた。
ちなみに『賢王子』とは、マクシミリアンに付いた二つ名だ。
アンリエッタとルイズは、席を隣にして結婚式に参加していた。
「悔しいけど綺麗だわ」
「当たり前よ。何てったって、わたしのちいねえさまだからね」
ルイズは、自分の事の様にフフンと無い胸を張り上げた。
「何よ、お兄様だってすごくカッコいいわよ!」
とルイズの左右の頬を掴み横へと引っ張った。
「はいふうの!」
何するの、と言いたかった様だ。
アンリエッタとルイズは、ポカポカと可愛い殴り合いと始めた。
『いい加減になさい!』
後ろに控えていたカリーヌ夫人が、二人の頭を掴み声を抑えながら少量の殺気を放ち二人を諌めた。
「ひい!」
「ごめんなさいお母様、ごめんなさいお母様、ごめんなさいお母様」
生まれて初めて殺気という物を受けたアンリエッタは涙目で黙り込み、ルイズは念仏を唱え
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