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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第4話 1人の男と1人の女の子のお話
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新暦73年5月………

「………ったく」
「バルト、食べないの?」
「ああっ?食うに決まってるんだろ?大人はそんなにがっつかねえんだよ」
「私もおとなだもん!!」
「そんな汚れた口で小さな胸張っても全く見えねえっつうの………」

そう言ってフキンで口元を拭いてあげる。

「ねえバルト、買い物が終わったらどうするの?」
「先ずは寝床確保だな。取り敢えずミッドから離れた誰も来ないような廃墟何かがいいと思うが………」

そう言いながら注文した料理を食べる。

「………って!!また汚しやがって!!自分で食べられるものを注文しろ!!」
「食べれるもん!!ちょっと失敗しただけだもん!!」

そう言って再び自分の食べていたパスタをフォークで食べようとするが、巻きつけずそのまま食べようとするので滑り落ちてしまう。

「ううっ………」
「………ったく」

そう言って向かい側に座っていたバルトと呼ばれた男は少女の隣に座り、フォークにパスタを巻きつける。

「ほれ」
「ん………」

そのパスタを小さな口で頬張る少女。

「うまいか?」
「………うん」

少し涙目になりながら答える少女。

「てめえはまだガキなんだ、出来ねえことは当然たくさんある。んなことは全て俺に頼れ。多少は手伝ってやる」
「………ガキじゃないもん、ヴィヴィオだもん………」
「そんなことどうでもいいからさっさと食えよ。この後も長く歩くんだからよ」
「分かった………」

そう言って黙々と自分で食べ始めるヴィヴィオ。

(何でこうなっちまったかな………)

そう思いながらバルトマン・ゲーハルトは窓から見える空を見た………










新暦73年4月………

「さて、どうすっかな………」

少女を助けたのはいいが、その後の事を全く考えていなかったバルトマン。

「………」

そんなバルトマンをヴィヴィオが凝視する。
まるで自分の父親をしっかり認識するかのように。

「………まあてめえみたいなガキだったら何処かの街に置いていけば誰かが助けてるれるか………仕方ねえ、それまでは連れていってやるよ」

そう言ったバルトマンはヴィヴィオを抱き抱え、その場を後にした………










「先ずは金やコイツの服だな………」

そう思ったバルトマンはこの研究所の所長室へとやって来ていた。
しかしここも電気が通っておらず視界が殆ど見えない………

「くそっ、先ずは明かりか………」

壁沿いに歩き、カーテンの様なものを見つけたバルトマン。
それを思いっきり引っ張り引きちぎった。

「わあぁぁぁ………」
「朝日か………って事は今は早朝か」


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