ペルソナ3
1853話
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止めた。
俺はこいつらに見覚えはないのだが、どうやらこいつらは俺に見覚えがあったらしい。
まぁ、普通に考えれば……俺が以前絡まれた不良の誰かって事だろうが。
ああいう類の奴は名前を覚える必要もないという事で、すっかりと忘れていたのだが……どうやら向こうは違ったらしい。
「俺の連れに用があるのか? なら、俺も一緒に行かせて貰おうか。そっちの方が、早く話も終わるだろ?」
「待った! 悪い! お前に喧嘩を売る気はないんだ! 頼む! 俺達が悪かった!」
数秒前までは順平と友近に思い切り絡んでいた男達だったが、その2人と一緒にいるのが俺だと知ると、たちまちその威勢が弱くなる。
「どうした? 話があるんだろう? 俺もしっかりとその話を聞く必要があるしな。……それにしても、最近は暖かくなってきたよな。2月の寒さはもう完全に消えたし」
『は?』
不意に話題を変えた俺に、不良の男達は理解出来ないといったような視線を向けてくる。
それは不良達だけではなく、順平と友近の2人も同様だった。
まぁ、普通ならいきなりの話題転換に、そうなってしまうのはおかしくないだろう。
だが……その話題は、別に何の意味もない訳ではない。
「この暖かさなんだし、一晩くらい全裸で路上に転がっていても、風邪とかは引かないよな?」
そう言った瞬間、不良達の顔が見るからに青くなるのが、夜でも理解出来た。
俺が何を言いたいのか、向こうも理解したのだろう。
慌てたように、俺から……そして順平と友近から距離を取る。
「は、ははは。俺達は別に……なぁ?」
「あ、ああ。冗談、冗談だからそんなに怒るなって、な?」
「そうそう。冗談なんだよ冗談」
口早にそう言ってくる不良達を見回し、俺は満面の笑みを浮かべてやる。
……なのに、何故か不良達は余計に引き攣った視線をこっちに向けていた。
「じゃあ、俺がこれからやるのも冗談だ。お前達が気を失っている間に全裸になって、標識や電柱に派手に飾り付けられるのも、冗談だよな?」
そう言い、先程よりも更に深い笑みを浮かべている。
その瞬間、不良達はまるでテレパシーか何かでタイミングを合わせたかのように、その場で踵を返して走り去る。
チームワーク抜群だな。
無言で走り去った不良達を見送り……そこで、順平と友近が目を大きく見開いて俺を見ているのに気が付く。
この状況の2人を写真に撮れば、『驚愕』とかいうタイトルが付けられるだろう。
携帯で写真でも撮るか?
そんな風に思いながら、俺は口を開く。
「いつまで驚いてるんだよ」
「あ、ああ。……けど、アクセル。お前って一体何者なんだよ?」
「何者って言われてもな。俺がこっちに来たのが2月くらいなのは覚えてるよな
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