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レーヴァティン
第二十四話 都その十

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「法主様よりこのお寺を任されている方です」
「その人に断りを入れてか」
「下山してです」 
 つまり寺を出てというのだ。
「そうさせて頂きたいと思っていますが」
「そうか、わかった」
 ここまで聞いてだ、英雄はあらためて頷いた。
「ではな」
「老師とお話をしてから」
「行くか」
「はい、それでは」
「これからな。しかしだ」
「しかし?」
「美味い茶だ」
 英雄は今飲んでいる茶についても述べた、謙二が煎れた抹茶であり色は見事な緑色である。
「しかも菓子もな」
「ですな、この菓子もです」
 正は和菓子を食べつつ述べた。
「よいですな」
「都は寂れているがこうしたものが飲み食い出来るのか」
「いえ、これは」
「これは?」
「ある商人の方のお供えです」
 それであるとだ、謙二は英雄と正に話した。
「この寺では、そして今の都ではです」
「こうした茶や菓子はか」
「残念ですが」
 出せないというのだ。
「お客人用のものです」
「そうなのか」
「はい、東の方に堺と同じだけかそれ以上に栄えている町がありまして」
「そこにいる商人のものか」
「そうです」
 こう英雄に話した。
「全ては」
「そうか、贅沢はしていないか」
「御仏に仕える身です」
 だからとだ、謙二は謙虚な態度で話した。
「左様です」
「そうか、この寺も質素でか」
「都は寂れたままです」
「それを何とかしたいな」
「はい」
 謙二は確かな声で答えた。
「そう考えています」
「だからこそだな」
「貴方達と共に参り」
「そしてだな」
「この世界を救いましょう」
 老師、この寺の主であり彼の師匠でもあるその高僧と話をしてからというのだ。
「是非」
「そうか、ではな」
「まずは老師に」
「話が整って何よりだ」
 英雄は素直にこのことを喜んだ。
「中々、ということも考えていたが」
「そうでしたか」
「しかしすぐに話が整ってな」
「よかったと」
「心からそう思っている」
 実際にそう思っている言葉だ。
「本当によかった」
「拙僧も言い伝え、この世界のことはわかっています」
 その両方がというのだ。
「ですから」
「それでか」
「貴方達が来られればです」
「そう決心していたか」
「はい、最初から」
 そうだったというのだ。
「それが適ってです」
「よかったか」
「そう思っています、ですが」
「それでもか」
「はい、十二人が揃うまでもです」
「厄介だな」
「かなりのことで」
 それでとだ、譲二は英雄にさらに話した。
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