暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica6-Aその日、王は少女になる〜Freedom〜
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そこは聖王教会本部の応接室だった。コ字状に並べられたロングソファの奥に、ティアードワンピースに着替え終えているイクスヴェリアが腰掛けており、特騎隊メンバーとトリシュとアンジェがソファの後ろに控えていた。彼女たちだけでなく、シャルの実母で現聖王教の教皇である「マリアンネ聖下」も居り、イクスヴェリアの隣に座っていた。

「お久しぶり、ルシル君。急にお呼び立てしてごめんなさいね」

「シャルではなく聖下が自分を・・・?」

「ええ。私から直接連絡を入れようとしても、娘があなたのアドレスを教えてくれないの・・・」

右手を頬に添えてほぅと溜息を吐く聖下にシャルが「絶対ヘンな事するもん・・・」って呆れた。これは話が長くなりそうだと判断した俺は、「自分は何をすれば?」と本題を切りだした。

「あ、そうそう。実は・・・――」

予定外の目覚めだったというイクスヴェリアの話から彼女を調べたところ、彼女の身体機能が不全を起こしていることが判明したとのこと。定期的に休眠と覚醒を繰り返す彼女だが、前回にダメージを負い、今回の予定外の覚醒が原因だろう、というのがティファレトの見解だそうだ。

(やはりそうだったか)

「――で、ティファレトの話では現代の医療技術では治療不可能ということなの。そこで娘たちから聞いていたあなたのコード・エイル。それを頼ろうと考えたの」

「次に眠りに着いたらいつ起きられるか判らないってことで・・・。ねえ、ルシル。お願い、イクスヴェリアを助けてあげて」

聖下とシャルからの懇願だから受けはしたいが、「イクスヴェリア。あなたの意思はどうだ?」と件の本人である彼女に問う。周囲がイクスヴェリアの治療を望み、本人が望んでいないのであれば、この治療は行えない。

「・・・私は休眠と覚醒を繰り返しながらも1000年以上と生きてきました。それは冥府の炎王、マリアージュの生成素体という兵器として。ですがもう・・・ベルカもガレアも無く、戦乱の時代もとうの昔に終わり、私の役目は完全に終わりました。ですから私も、冥府の炎王としてではなく、イクスヴェリア個人として現代の世界を生きようと思います」

「その答え、確かに聴き届けました」

魔力炉(システム)の稼働率を上げ、俺を魔導師から魔術師へと昇華させる。魔術としてのエイルなら、魔法としてのエイルより効果が格段に高い。イクスヴェリアの元へと歩み寄る中、「やっぱり・・・」と彼女が何か納得したかのように微笑んだ。

「どうかしたかい?」

「いいえ。・・・それではルシリオンさん。どうぞよろしくお願いします」

ソファより立ち上がったイクスヴェリアのすぐ目の前に立ち、彼女の頭に左手を乗せる。

女神の祝福(コード・エイル)

そしてエイルを発動。イクスヴェ
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