暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica6-Aその日、王は少女になる〜Freedom〜
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を見送った。そこから今の今まで、フィヨルツェンについては何も言ってないからさ・・・。
「あの時の俺たちの最優先目標は、フォルセティ達の救出とイクスヴェリア陛下の保護だ。エグリゴリは俺個人の目的だからな。それにあんな場所で戦っては、全員揃って崩落する遺跡に押し潰されて人生終了だ。なに。再戦の機会できた。仮面持ちを追えば否応にもフィヨルツェンと闘うことになる。今はそれで十分だよ」
「そうだね、うん、そうだ」
本当は戦って、勝って救いたかったんだろうけど、自分を優先しないで他を優先するそんなルシルが本当に大好きだよ。最大のライバルなはやての元に帰すのは、ちょこっと悔しい気持ちもあるけど・・・。今日ばかりは譲ろうじゃないの。
「マクティーラ一丁お待たせ〜!」
先輩がルシルの愛車である“マクティーラ”と一緒に戻って来た。ルシルとアイリが先輩に感謝した後、陛下へと振り返った。
「ではイクスヴェリア陛下。自分とアイリは一足お先に帰宅させて頂きます」
「あ、はい。お気を付けてお帰りください。あの、他の皆さんにもお願いしますが、私はもう王ではないので陛下という敬称と丁寧語は無用です」
「はい。イクスヴェリア」
「じゃあ今日はバイバイ、イクスヴェリア!」
ルシルが“マクティーラ”のシートに跨って、アイリがサイドカーに乗り込んだ。そんな2人の乗る“マクティーラ”にわたし達は手を振って見送った。それからしばらくして教会本部から中型バスタイプの護送車が来てくれた。
「えっと、じゃあ・・・その・・・イクスヴェリア」
「はい」
「護送車へ乗ってくだ・・・くれる、かな?」
「「「「イリスぎこちない」」」」
ルミナとセレスとトリシュと先輩がポツリと呟いた。わたしは「じゃあルミナ達もタメ口使って見せてよ!」って反撃。いくら元王様だって陛下自らが仰っても、生ける伝説でもあるのだ。緊張しない方がおかしい。あとで、やっぱり不敬とみなします、なんて言われたら・・・。考えるだけでも恐ろしい。ルミナ達は「あ〜」なんて明後日の方を見て誤魔化すし。こんちくしょー。
「コホン。さっき伝えた通り、護送車にみんな乗って一気に教会本部へ移動しま〜す。ミヤビは先に乗って」
「あ、はい!」
――鬼神形態顕現――
額からクリスタルみたいな角を2本と生やしたミヤビ。さらに「雷鬼降臨」と告げると角がイエロートルマリンみたいな色彩に変化した。角の色でミヤビの変換資質が変わるんだよね。赤は火、蒼は水、翠は風、黄は雷、茶は土、って具合に。黄の雷鬼モードの時のミヤビは思考力や体の機動力も格段に上がって、転移能力者でも十分捉えられることは先輩との模擬戦で実証済みだ。
「それじゃあイクスヴェリア。足元に気を付けて乗ってね
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