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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica6-Aその日、王は少女になる〜Freedom〜
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し。ルシルも「しまった、つい」って慌てて手を離そうとした。

「あ、待ってください! もう少しこのまま頭を撫でて頂けますか?」

頭から離れた手を取って、また自分の頭の上にルシルの手を乗せた陛下は、「懐かしいです」って本当に気持ち良さそうに目を伏せた。アイリが若干ヤキモチ妬いてそうな感じだけど、相手が陛下だってことでか耐えてるね〜。

「あの、オーディン様は亡くなったのですよね? それでフォルセティは、オーディン様の遺伝子を基に生み出されたクローンであると・・・」

それは家族やあの子たち自身が告げた友人以外、局や聖王教会でも一部の幹部クラスしか知らない秘密。けどヴィヴィオとフォルセティは自分で陛下に伝えていたし、ここに居るメンバーも全員が知ってるから、ポロっと喋っても良いんだけど・・・。

「まぁいいか。そうですよ。魔神オーディンのクローンがフォルセティです」

「そうですか・・・。オーディン様にそっくりなのはフォルセティではなく、あなたのような・・・」

陛下は何か考えてるようで、少しばかり小首を傾げてブツブツと呟いていられたかと思えば、「うん」と頷かれた。そして「ありがとうございました、もう結構ですよ」とルシルに微笑みを浮かべられた。ルシルは「はい」って優しい声色へ返事して、陛下の頭から手を離した。

「えっと・・・。ルシルとアイリは今日はもう上がってもらっていいよ。護送車にそんなに入んないし。先輩に頼んで、マクティーラを持って来てもらうし」

「マクティーラって、シャーリーンのハンガーに置いたままだったっけ? なら護送車が来るまでにダッシュで取りに行ってくるけど・・・?」

「ルシルとアイリって、1ヵ月くらい家に帰ってないでしょ。帰さなかったわたしが言うのもなんだけど、そろそろ八神邸が恋しいだろうし、いいよ」

部下のプライベートもしっかりフォロー出来ないような奴が上に、部隊長を務める資格は無いってね。ルシルとアイリが顔を見合わせた後、「ありがとう!」ってお礼を言ってくれた。ルシルからの感謝で、今日1日の苦労は一瞬で消えちゃうよ〜。

「ん。じゃあ先輩。ちょちょっとお願いです!」

「了解!」

先輩がスッと音もなく消えた。戻って来るまでの間に、わたしはルシルの側に寄り沿って「エグリゴリ、見逃して良かったの?」って聞く。遺跡内で“エグリゴリ”の1機であるフィヨルツェンとかいうのと遭遇したけど、アイツは狙っていた陛下を強引に拉致することなく、わたしやルシルと戦おうとすることなく・・・

――これはわたくし達の負けなようですね。ここは大人しく退きましょう――

そう言って踵を返して、また通路の奥へと消えて行った。ルシルは声を掛けることなく、魔術をスタンバイすることなく、あっさりフィヨルツェン
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