第百二十六話 宮中動乱
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始めた。
「全将兵に告ぐ、敵は1個大隊凡そ600人だ、そして我らは100人だ、さあ単純な計算だ!1人で6人倒せば全て終わるぞ!」
「「「「「おう!」」」」」
グリューネワルト伯爵夫人邸やベーネミュンデ侯爵夫人邸の宮中警備隊は特に装甲擲弾兵出身者が多く成っており、武装も完全武装可能な状態にしてあるのである。此は、囮にしているアンネローゼやテレーゼがいる事の多いベーネミュンデ侯爵邸を特に守るために行われている事であったが、この時も確りと機能したのであった。
アンネローゼの元へ、コルヴィッツが、グレーザー少佐からのメッセージを運んできた。
「何があったのですか?」
「近衛兵が、伯爵夫人の連行を命じてきたそうです」
「私の?」
「はい」
コルヴィッツは、話しにくそうな顔でアンネローゼを見ている。
「いったい何が?」
アンネローゼは、弟とジークの為に時々陛下にお願いをしていた、今回も弟の決闘を止めて貰いたいとお願いをしたが、それが悪かったのだろうかと考えて居た。
コルヴィッツは意を決して答える。
「グリューネワルト伯爵夫人が皇帝陛下を籠絡し自らの御子に帝位を継がせようと企んでいると」
アンネローゼは絶句した。自分はその様な大それた事など考えた事もないし、陛下を籠絡した事もないと。驚いて考えが纏まらずに、弟やジークの顔が頭に浮かぶだけであった。
その頃、第4大隊本隊に、テレーゼ皇女殿下が、先ほどヘルクスハイマーとシャフハウゼンの決闘を御見学中に、ヘルクスハイマーの雇った決闘者に暗殺されたとの連絡が入ったのである。
激高する近衛兵達、続報により、リッテンハイムとヘルクスハイマーとシャフハウゼンとリヒテンラーデとグリューネワルトとシェーンヴェルトが共謀し決闘を起こし誘い込んで、帝位継承に邪魔なテレーゼ皇女殿下を暗殺したと。
此の連絡は全くの嘘であり、テレーゼの生死も確認しない状態で総監部に残っているクーデター派幹部が流したものであった。
近衛第4大隊はテレーゼ殿下の敵、グリューネワルト伯爵夫人を引きずり出せと、激高しながらグリューネワルト伯爵邸へ進撃していった。
アンネローゼの危機は直ぐ其処まで迫っていた。
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