第百二十六話 宮中動乱
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た模様ですが、お付きのオフレッサー大将が身を挺して殿下をお救いなさったそうです」
「そうですか。テレーゼは無事ですか、良かった。オフレッサーには何れ礼を述べなければ成りませんね、しかし、あれほど行ってはいけないと言ったのに、テレーゼには、少しお仕置きが必要ですね」
「御意」
クルムバッハも御意しか言いようがない状態で有る。触らぬ神に祟りなし状態のシュザンナママである。
「しかし、ヘルクスハイマー伯爵といえば、リッテンハイム侯爵手の者、そう言う事ですか」
1人で納得して居るシュザンナママである。
「シュザンナ様、お気を確かにお持ちください」
「ええ、テレーゼを狙うと成ると、陛下と皇太子殿下も危ないですわ、連絡は付きませんの?」
「総監部からですと、音信不通で陛下も殿下の安否も判らない状態だそうです」
「そうなりますと、何とかしてお救いしなければ」
「その点でございますが、既に作戦が進行中との事でございます」
シュザンナは、クルムバッハの言葉を聞きながら、暫く考えていた。
「判りましたわ、陛下と殿下のご無事を祈りましょう」
第1、第2、第3大隊は宮殿に到着後、ノビリンク大佐達4名が密かに荷物を持って謁見室へと向かった。大隊自体は宮殿を守るように配置されたのである。
修羅場と成りつつあったのは、第4大隊が向かった、グリューネワルト伯爵邸であった。
近衛としての完全武装で馬に乗り先着した第2大隊司令部は、館を守っている宮中警備隊に対して、直ぐさま門を開るように命令し、グリューネワルト伯爵夫人の身柄を拘束すると宣言した。
「止まれ、卿等何用だ?此処は、グリューネワルト伯爵夫人邸なるぞ」
宮中警備隊少佐の誰何に近衛大佐が命じる。
「小官は近衛大佐フォン・ハイドリッヒだ、皇太子殿下より、君側の奸リヒテンラーデ侯爵と毒婦グリューネワルト伯爵夫人を逮捕せよとのご命令が下ったのだ、手向かいすれば謀反人ぞ」
既にクーデターの連絡を受けていた装甲擲弾兵出身のグレーザー少佐がそれを突っぱねる。
「皇帝陛下のご命令が無い以上は、皇帝陛下以外の男子は皇帝陛下のお許しが無い状態では、この門を通す訳には行かないのです」
「貴様、殿下の命令に楯突く気か!」
「我々は、皇太子殿下の宮中警備隊ではなく、皇帝陛下の宮中警備隊なのです」
「おのれ!」
ハイドリッヒ大佐が銃を抜くが、それに数十倍する銃が向けられる。
「覚えているのだな、直ぐに本隊が来れば、逆賊など一瞬で退治してやる」
まるで三下の言うような台詞を放って逃げていくハイドリッヒ達、それを指さしながら笑う宮中警備隊員達。
グリューネワルト伯爵邸を守っていた宮中警備隊は、直ぐさま、装甲服や重火器を用意し、テキパキと準備を
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