肌寒い秋の日の出来事_。
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「ねぇーそんなところでなにをやっているのー??」したのに。全てを終わらせようとしたのに。下の教室から星マークが入ったキラキラとした瞳を輝かせるオレンジ色のツインテールの女の子が窓から上半身を覗かせて上を見上げ、大きな瞳でしっかりわたしを捉えて話しかけています――危ないぶつかるっと思った時はもう手遅れでした。
――ごつん。頭の中で響く鈍い音。わたしと彼女のおでこがぶつかった音。わたしと彼女の鼻がぶつかった音。屋上から真っ直ぐに、一直線に落下していたわたしの体は彼女とぶつかった衝撃で大きく速度と進行が変わりふわりと打ち上げられて「あぶねぇ!!」大きな男の子の声、そして長い腕に捕まれ教室の中へと引きづり込まれました。ぶつかった彼女も一緒に。
引きづり込まれた教室には、わたしを引っ張ったぶっきらぼうな顔をした男の子と、ぶつかった女の子の二人だけで他のみんなはいないみたいでした。もう放課後だからみんな帰って行ったか、部活動中なのかな。
「何してんだっ危ないだろが!!」
頭の上から聞こえる怒号。上を見上げれば男の子が血走った目で怒っています。なんであなたが怒っているんですか……怒りたいのは……。
「アホ子が身を乗り出してぶつかってなかったら、お前そのまま……聞いているのかっ」
偉そうに説教なんてしないでよ……なにも知らないくせに。どうしてわたしが飛び降りたのかなにも知らないくせに……偉そうに説教なんてしないでよ……わたしは…わたしは……。
「死なせてよっ!!」
「「ッ!!」」
初めてだった。誰かに自分の意思を伝えたのは。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!」
こんなに大きな声で泣いたのは初めでのことでした。
男の子は困った表情でわたしを見つめ、女の子に助けを求めるような視線を送っています。女の子はうんうんと頷いて「つらかったんだね…」となぜか一緒に泣いて強く強めに抱きしめてくれました。……誰もわたしのことなんて見えていなかったのに。無視して笑い蔑んだ瞳で見たのに、彼女はわたしを……見てくれました。普通の女の子として……見てくれました。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!」
しばらく泣き続けました。涙が枯れるまで泣き続けました。胸の奥底にしまっていた感情、押さえていた感情を全て吐き出しました。まるで小さな子供のように。泣き叫びました。
「落ち着いた?」
こくんと頷きます。「何があったの」と聞かれわた
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