暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第59話「ここから始めよう」
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わかってたみたいで。」

「実質俺に出来る事なんて限られてるしなぁ。」

 積み重ねがないとそれを得意分野としている人にはまず勝てない。
 全てを努力で補っていると言っても過言ではないからな。俺は。
 狙撃においてセシリアには勝てないし、数ある武器を上手く使いこなすというのもシャルや簪には劣る。特殊兵装に至っては夢追に積んですらいない。
 先日のチェスもそうだ。...あれははやてが天才なのもあるけど。

「のんびりする訳じゃないけど、やれる事はやってじっくりとタイミングを窺うつもりだ。焦った所で何も変わらないと思うしな。」

「うん。私の懸念も杞憂に終わって何より。ところで、私の荷物を置きに行きたいんだけど...。」

「あ、ボクが案内するよ。」

「よろしくねー。」

 マドカとシャルはそういって行ってしまったので、俺は別の事をしに行く。
 ...と言っても、間接的にグランツさんを手伝う程度の事だ。
 すると、ずっと頭の上にいた白が声を掛けてきた。

【...焦る必要はなく、長丁場になると言っても、猶予がある訳じゃないよ。】

「それも分かっている。限られた時間で、出来る限りその時間を有効活用する。...グランツさんもそれは分かっているはずさ。」

 時間にして3年程が限界と俺は見ている。
 大体高校卒業の時期。その時には決着が着くはずだ。

【...最初はてんでダメな才能なしだったのに、今は見違えたね。】

「なんだよ藪から棒に...って、なんで白が知って....あぁ、聞いたりしててもおかしくはなかったな。」

【自己完結しちゃった...。まぁ、その通りだよ。お母さんもお父さんも嬉しそうに話してた。“見違えるように成長した”って。】

「まぁ、確かになぁ...。」

 俺でも驚く程に成長したと思っている。
 努力の仕方が間違ってたのか、ようやく努力が実ったからかは分からないけど。

「でもまだまだ足りない。」

【当然。お父さんの全力を片鱗しか出せてないんだから。】

「.....。」

 桜さんが全力に近い力を出したのはおそらく二回だけ。
 エグザミアの暴走を止める時と、この前の襲撃の時。
 元よりセカンドシフトしていたから出力が段違いだったが、手も足も出なかった。
 動きを知られていたというのも大きいだろう。

「...最後の課題、みたいなものか。」

 俺は桜さんに色々教えてもらった。だからここまで来た。
 ...だけど、それでは“その先”へは行けない。
 “自力で切り開け”...そう、桜さんは俺に伝えたいのだろう。

「...とりあえず、“いつもの”行くか。」

【じゃあ、私は見ておくね。】

 待機状態の夢追に軽く触れ、俺はI
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