EX回:第4話(改2)<策略とお祭り広場>
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な彼女。
その返事を待つ間もなく青葉さんは本来のカメラを取り出して直ぐに、あちこち連写し始める。
「イベントですよ。被写体だらけですねぇ」
その様子に圧倒されつつも改めて無線で通信をしている五月雨。
直ぐに彼女は私に向き直って言った。
「私たちの提督が皆様と直ぐに、お会いになるそうです。数分で参りますので……申し訳ありませんが、ここで、しばらくお待ちください」
「ああ」
私はハンケチで汗を拭いながら応えた。
直ぐに彼女は寛代を見る。
「病気の方は私が衛生隊までご案内致しますので、こちらへどうぞ」
すると技術参謀がワザとらしく表情を歪めて言った。
「この子は調子が戻ったらしい。スマンが私がちょっと……」
意表をつく展開に、驚いたような五月雨。
私は取り成す。
「手間をかけるが……頼む」
「は……はい」
五月雨は慌てたように私たちに敬礼をした。技術参謀の階級章を見れば、彼女がかなりの上官だと言うことくらいは五月雨も分かるだろう。
「では……こちらに、お願いします」
「ああ……」
わざとらしく病人の振りをする技術参謀。意味ありげに私と祥高さんにウインクをした彼女は五月雨の後を軽やかに付いて行った。
(おいおい参謀様、それじゃヤバイって……もっと病人らしく歩いて下さいよ)
それを見ていた夕張さんも腰に手を当てて呆れたように言った。
「あれで病人? 笑っちゃうわね」
「本当ねぇ」
いつの間に来ていた龍田さんも同意する。
「あの人も、とっつき易いのか難しいのか未だによく分からないな」
私も本音が出た。
「参謀なんて、どうせ奇人変人が多いのよ」
龍田さん、それはストレート過ぎる意見だよ。
「この敷地内のどこかで突然、行方不明になったりして」
青葉さんも怖いことを言う。
日向が近寄ってきて言う。
「司令、私たちは本当に遭難者と思われているか?」
「多分……」
私は軽く腕を組んで応える。
赤城さんも不安そうに、こちらを見ているので私は言った。
「あの五月雨も何度も司令部と交信していたようだが、もし仮に疑われていたら直ぐに憲兵が動くだろう」
この言葉に祥高さんも頷く。私は続ける。
「だが監視も付けず、この場で我々に『待機』ということだ。今のところ問題ないだろう」
日向も、ようやく頷いた。
「そうだな」
「でも、ちょっとは遭難者っぽくしたほうが良いでしょうかね?」
カメラ片手に青葉さんがニタニタして言う。
私は応える。
「そこがまだ分からない。違和感は残るとしても最初の予定通り『模擬演習』という羽目になるかも知れない」
「えぇ?」
声を立てたのは比叡。
「あの嵐で大変だった上に直ぐに
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