第六話
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何となく、嬉しそうに見えた。
―自宅―
「ごちそうさま。」
俺はしき屋の牛丼(大盛)を食べ終えた。だいたい二年ぶり位の牛丼だった。目茶苦茶旨かった。
安野屋も捨てがたいが、俺はやはりしき屋だな、と思った。
「さてと、これから俺がするのは…………と。」
俺はまだまだ段ボールが沢山置かれている部屋の中を見渡した。取り合えず、ベッドと卓袱台は組み立てたから、いつでも使える。キッチンは備え付けであったから、心配ない。
「あー…………カーテン買い忘れたな。」
俺はカーテンのない窓を見ながらそう言った。外は暗くなっていた。
まぁ、明日にでも買いに行こう。
あとは…………特には思い付かないかな。
「さてと…………段ボールやらのゴミの片付けでもしますかね…………。あー、めんどくせぇ。」
俺は上着を脱いでハンガーにかける。本腰入れて片付けに掛かろうとした。
すると、その上着からなにか紙切れがポトッと落ちた。
「…………?なんだこれ。」
その紙には、メモ書きのようなものが書かれていた。
『この紙に書いた最初の一つがホントになる。』
「…………沙紀だな。」
恐らく、今日のお礼みたいなものだろう。なんだかんだで振り回してしまったという自覚はあったらしい。
「しかし、書いたことがホントになるねぇ…………。」
お金は正直困らない。むしろ余るくらい。
彼女もいい。自分で見極める。
才能…………も、それを試すためにここに来たから、願うのは野暮だろう。
となると、大それた事を頼むのは無しだな。
「……………………あー、そーゆーことね。」
恐らく、最後の方の会話を聞いてこれを入れたんだろう。
かなり気のきく奴じゃないか。
「こりゃ、明日昼めしでも奢るかな…………。」
俺は、『この部屋が一般的な一人暮らしをするのに必要なものが揃い、綺麗に片付けられている状態になる』と書いた。
―夜十二時―
草木も眠る時とはよく言われるが、草木は寝ないだろと昔は思ったっけ、とか言うどーでもいいことを考えながら、俺はベッドの上に寝転んでいた。
今日…………もうすぐ昨日だが、今日は本当に色々あった。
家族全員で入学式に遅刻したり。
いいクラスに入れたり。
いい奴っぽいやつと話したり。
女の子と昼めし食ったり。
部活動見学したり。
わけわからない事になったり。
家に帰ったらドタバタして親父とお袋が帰ったり。
沙紀が乗り込んでき
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