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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's〜STS編
第百六話 魔導師ランクの獲得に向けて
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憶してますが、今回は違うんですか?」
「やっぱり気がつくわよね。
 今回、通常のBランクに使用されるスフィアの数の増加と本局武装局員と地上本部陸戦武装局員、執務官が参加します」
「執務官ということはクロノですか?」

 困ったような微笑で士郎の質問に沈黙で答えるリンディ。

「なるほど、道理で最近顔を出さないわけだ。
 それだけ魔術に興味があるのか、それとも実力を測りたいのか」
「恐らく両方ね。
 士郎君自身わかっていると思うけど、魔術にこちらの評価とは異なるレベルで特化した魔導。
 沈黙しているとはいえ警戒は間違いなくされているわ」

 リンディの忠告に当然だろうなと僅かに首をすくめて見せる士郎。

「模擬戦のデータも見られていますから、一対一での戦闘能力は把握されている。
 故に一対多の戦闘情報が欲しいのが本音ですかね。
 無論試験なので流血沙汰は起こす気はありませんが、本気で対応したほうが良いですか?
 それとも多少手を抜いたほうが」
「「本気でお願いね」」

 士郎がいいですかと訊ねるより先にリンディとレティがはっきりと断言した。

「もうここまで警戒されているなら、徹底的にやってしまいましょう」
「その方がタカ派にも下手な動きをさせないで良いと思うわ」

 ここまで来たら徹底的にやって狙わせる事自体が誤りだと思い知らせてやれという事らしい。

「了解しました。
 試験予定も問題ありません。
 ああ、あとクロノに伝言を。
 決死の覚悟で来いと」
「ええ、必ず伝えておきます」
「来週の試験が楽しみね」

 楽しいそうにとても悪い笑顔を浮かべる三人。
 そして、なのはは

「クロノ君、頑張ってね」

 来週の試験で巻き込まれる友人へ祈りを捧げていた。

 この士郎の本気によって衛宮士郎の名が管理局に知れ渡る事になるのを、この時はまだ誰も予測していなかった。
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