一章 薬師とか穢れとか
一話 輪廻転生と言うかなんというか
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
る。これだけ綺麗ならそのまま飲んでも大丈夫だろう。それに長く歩いてのども渇いている気がする。湖畔を歩き回り水の近くまで行けるところを捜して下りていく。
ちょうど良いところを見つけたので水際まで降りていく。
「しかし綺麗だなぁ…」
文字通り透き通っている水はキラキラと空を映し出していた。ぱっと見地面に鏡ができたのかと見間違うほどだ。
「さてお味の方はどうかな〜?」
水際に座り込んだ俺は手を入れて水を掬おうとする。
「は…?」
そこで手が止まった。何故か?その理由は湖面に映り込むものにあった。先程まるで鏡と評した湖面には自分の顔らしきもの(…)が写り込んでいた。さて、何故らしきものと表現したのか疑問に思う人も居るかもしれない。が、わかってほしい。
そこに写っていたのは少女の顔だった。
十代前半だろうか。子供と大人の境目みたいな年頃。大きな目に柔らかそうな唇。それらが整ったバランスで配置されている。髪は肩口で切りそろえられていて、その髪の色は湖に負けないくらい透き通った白。目は紫と桃色を混ぜたような少し怪しい色。こちらもまた透き通っている。先程までは何故気づかなかったのか、服装は真っ白なワンピース。妖精とか人形とか言われても全くもって疑わないような外見である。
めちゃ可愛い。
だが。
だが、しかし。
中身は俺(元男子高校生)だ。
「意味わかんないんだけどおおおおおお!?」
俺…いや、私の叫びは湖面をほんの少しだけ揺らし、虚しく響き渡っていったのだった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ