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東方死人録
一章 薬師とか穢れとか
一話 輪廻転生と言うかなんというか
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…はあああああああ!?
何が「…である」だよ!落ち着いてる場合じゃねぇよ!意味がわかんないよ??
あれぇ、ああいう感じの生物って何千年か前に絶滅してなかったっけ?
ああでもそもそも違う世界の可能性があるのか…
しかしまずい。恐竜が人を食うのかどうかわからないが、もしこの世界がそういう世界だとするといきなりめっちゃハードモードである。生き返っていきなり美味しく頂かれるのはちょっと頂けない。なんとかして安全な場所を探そう。夜になる前に見つかると良いなぁ…





「誰も居ねぇ!!」
虚しき叫びが草木に吸い込まれていく。ひたすら歩くこと二時間くらい。時計はないので正確な時間はわからない。今の場所も周りは森でわからない。というか何もわからない。覚醒してから今まででわかったことは二つだけ。
その1…人が全く居ない。
その2…体が違う。
一つ目は言わずもがな。未だに誰にも会っていない。というより恐竜がいる時代に人類って居なくないか…?
二つ目は歩いてみて気付いた。まず背が低くなっている。普段もより目線が低い、気がする。どうやらこの体に最適化させられてるようで余り違和感は感じない。
そして声がやたら高い。成長期前なのであろうか。喉仏もない。
あとは髪が伸びている。肩に掛かるくらいだ。鏡がないのでわからないがきっと見た目は中性的になってるのかな?
そして、最後に体力がめっちゃ増えている、ということ。前世では休日は家から出ないが基本だったので運動不足が著しく、年に一度の持久走は勿論、登下校の徒歩15分でバテ気味だった。けれど今はずっと歩いても全く疲れを感じない。いや、精神的には疲れてるんだけどね。
あ、ちなみに服装は
以上今までにわかったことである。
…何も解決してないぞ。
某ゲームでひでんマシンがなくて大きな岩が動かせない時の気分に似ている。しかも、こちらは攻略本なんてありはしないわけで。
八方塞がりだけども歩く以外にやることはないのでひたすら歩いていく。
「…ん?」
その時耳に微かな音が入ってきた。さっきまでは草木のすれる音とたまに空を切る恐竜の音しか聞こえなかったが明らかに違う音だ。
「水の音だ…」
その音に引き寄せられるように足取りが早くなる。もしかしたら水辺に誰か居るかもしれない。そんな淡い期待を持ちながら。




結果としては結局人はいなかった。
ただ無駄ではなかった。
「きれい…」
森を抜けるとそこは清々しい程に開けていた。目の前に広がるのはあり得ないほど透き通った湖。日の光をキラキラ反射させていて少し眩しい。その透明さと周りを囲む木々のお陰か、とても神秘的に感じられた。
少しの間その光景に見とれて呆けていた。




「…そうだ。水でも飲もう。」
そういって湖に歩を進め
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