ペルソナ3
1850話
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「……こうも注目されるとは、思わなかったな」
「当然でしょ。真田先輩に勝ったんだから。女子寮でも凄い噂になっていたわよ?」
死神と戦った日の翌日、俺は偶然月光館学園の側でゆかりと会い、2人で通学していた。
だが、周囲の生徒達が俺を見ながら、近くの友人と話をしているという光景が面白くないというのは間違いない事実だ。
いっそ月光館学園の近くに転移するんじゃなくて、直接月光館学園の中に転移した方が良かったのかもしれないな。
「真田先輩程の有名人に勝ったんだから、こうなる事くらいは予想出来ていたでしょ?」
「それは否定しない」
「なら、諦めなさい。それに、真田先輩がアクセルに好意的なのは間違いないんだから、妙なちょっかいを出してくるような人はいないでしょ」
「おう、アクセル。おはよう。……なぁ、あの真田先輩と戦って勝ったってマジ?」
ゆかりの言葉が終わるか終わらないかという内に、そんな風に声が掛けられる。
聞き覚えのある声に振り向くと、そこには予想通りの人物と、もう1人の男がいた。
「順平もその話を聞いたのか」
「勿論。正直なところ、かなりの騒動になってるぜ?」
「いや、アルマー。お前は凄いな。あの真田先輩に勝つなんて」
順平の隣にいた、どこか軽そうな男がそう告げてくる。
誰だ? いや、昨日見た顔だな。
クラスの中にいたような気がする。
そんな俺の視線に気が付いたのだろう。
男は手を上げ、声を掛けてくる。
「おう、俺は友近健二だ。一応アルマーのクラスメイトな。まぁ、昨日転入してきたばかりなんだから、まだクラスの奴の顔と名前を全部覚えてなくてもしょうがないけどよ」
見た目通り、随分と軽そうな性格らしい。
もっとも、決して嫌な軽さって訳じゃない。
ムードメーカー的な、そんな感じか?
「ああ、知ってると思うけど、アクセル・アルマーだ。よろしくな」
「……で? 本当に真田先輩に勝ったのか? いや、これだけ噂が流れてるって事は、間違いないとは思うんだけどよ」
好奇心を全開にして尋ねてくる友近だが、向こうにしてみれば本当に興味からの問いなのだろう。
それに答えようとして……ふと、俺達の周囲にいる他の生徒達までもが耳を澄ませている事に気が付く。
ちっ、ここで何かを言おうものなら、それこそ色々と面倒な話になりそうだな。
「取りあえずその辺は、今はノーコメントって事で」
「何でだよ、別に教えてくれてもいいだろ?」
「そうだな、ならお前が自分で試してみるか? ボクシング部の部室に行って」
「い、いい。遠慮する。止めておく」
俺の言葉に、友近は素晴らしいまでの危機察知能力を発揮し、首を横に振る。
まぁ、まだ出会って数分――正確には会ったのは昨日
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