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転生とらぶる
ペルソナ3
1850話
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だが、話すようになったという意味で――ではあるが、それでも友近の性格は話せばすぐに分かる。
 それだけに、この言葉も遠慮出来た。

「ボクシング部に入れば、女はよりどりみどりじゃないか?」
「……女っつっても、ガキじゃなぁ……」

 その言葉に、俺の隣を歩いていたゆかりが不愉快そうな表情を浮かべ、ジト目を友近に向ける。
 もっとも、その気持ちも分からないではない。
 別にゆかりが友近に好意を抱いているという訳ではないのだろうが、それでもクラスメイトにガキ扱いされるのは面白い話でないのだろう。
 特に一人前になりたがっているゆかりにしてみれば、その気持ちは余計に強くてもおかしくはない。

「そー、そー。俺っちの知り合いにもボクシング部の奴がいるけど、思った程に女にキャーキャー言われないらしいぜ? その辺は、やっぱり真田先輩だからこそなんだろうな」

 順平にしては珍しく、的を射た発言。
 実際、ボクシング部で昨日模擬戦をしたところ、そんな風に思ったのは間違いないし。
 ボクシング部の真田に人気があるのではなく、あくまでも真田あってのボクシング部の人気……といったところか。
 もし女にモテたくてボクシング部に入っても、そう簡単にはいかないって事だろう。
 勿論、真田を目当てにして多くの女がやって来ている以上、女達にアピール出来る環境はあるのだから、普通よりは機会が多いのだろうが。

「ま、どのみち真田先輩みたいに格好良くないと、意味はないと思うけどね」
「ぐはぁっ!」

 ボソリと呟かれたゆかりの言葉が、友近にとってはクリティカルヒットだったのだろう。
 かなりのダメージを受けた様子で、その場に立ちつくす。

「あー……ゆかりッチも、その辺にしておいてやってくれよ」

 友人のダメージを見た順平が取りなすように言うが、それは決して救いとはならなかった。
 ただまぁ……こうして見る限りだと、順平よりは友近の方が女に縁がありそうな感じがするのは間違いない。
 見るからに軽い性格をしている友近だが、お調子者といった様子の順平よりは顔も整っているのだから。
 それに順平の場合は何故かずっと帽子を被って髭を生やしているのが、一般受けはしないと思う。
 その辺を教えてやるべきか?
 そんな風に考えている間に、やがて俺達は校門の近くに来て……

「あ、ねぇ、あれ、真田先輩じゃない?」

 ふと、ゆかりがそう呟く声。
 ちょうど話題になっていた事もあり、ゆかりの見ている方に視線を向けると……そこには、確かに真田の姿があった。
 だが、珍しく真田は1人ではない。
 いや、別に真田に親しい友人が荒垣以外にいないという訳ではないのだが、それでも真田と一緒にいる奴を見かけるのは珍しい気がする。

「うん?
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