第22話 激突、星雲組!?男とは、時に敢えて道を踏み外す事もある(前編)
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ていたドリルもすっかり興奮気味だ。こう言う手の話は大好きな様子だ。
現に、血の気の多い連中はその話を聞いてとても楽しそうな顔をしている。
他人の武勇伝と言うのは何故かとても輝いて見えてしまうようで―――
【んでよぉ、そのかつての星雲組に居て、尚且つレッドの弟分だったお前らが、何でまた極悪組に属してて、しかも奴らの野望の片棒を担ぐ真似なんかしてんだよ?】
【・・・俺達だって、好きでやってんじゃねぇんだ】
【あぁ、だけど・・・俺達も星雲組の一員。親の命令には逆らえねぇ】
【親の命令?】
【今の俺達の親は、極悪組のゴクアク星王なんだ。星雲組は、奴らの傘下に加えられた後すぐに、解体されて、主だった幹部は皆奴らの厳重な警備の行き届いている星に幽閉されてる。残った組員の俺達でさえ、こんな雑用みたいな仕事を押し付けられる始末さ】
極悪組が恐れている事、それは星雲組の復活だった。それを阻止する為、若い22代目を抱き込むだけでなく、主だった幹部達を自由の利かない場所に閉じ込めて置き、更には息の掛かった構成員達との絆を絶つべく、こうして日々雑用を押し付け続けているのだと言う。
しかも、その雑用を命じているのが、こともあろうにその若い22代目なのだと言う。
極道の社会に置いて上からの命令は絶対。それが例え気に入らない命令だとしても、従わなければならない。
それが彼らの常識なのだから。
【もう、今の星雲組は・・・かつての組じゃなくなっちまったんです】
【俺達だけじゃねぇ、元居た組の連中は皆、極悪組に良い様に扱われちまってる始末なんです。もうこれ以上こんな悪事をし続けるのは嫌なんですよ】
ハジとサブの二人が涙を流しながら経緯を話した。義理と人情を重んじる彼らにとって、悪事を行う事は死よりも辛い苦行に違いない。
【おまんら、随分と苦労を重ねて来たようじゃのぉ】
【何を言うんですか! 俺らの苦労なんて、兄貴に比べたら大した事ありやせんよ!】
【そうです。あの時だって、兄貴が大怪我を負った原因なんて俺らにあるんですから!】
あの時―――
それは、極悪組が星雲組を解体処分にし、主だった幹部たちを捕えて幽閉する事を行い始めて間も無くの頃だった。
レッドは、一人組の仲間を救うために極悪組に戦いを挑んでいた。
だが、それに対しゴクアク組は星雲組の構成員を迎撃に向わせて来たのだった。
「兄貴!」
「何してんだおまんら! 親の命令は絶対、ならば敵であるワシを撃て! それが極道ってもんじゃろうが!」
迎撃に出向いた星雲組の構成員達全員が歯噛みする。相手は自分達が最も信頼を置いている兄貴分でもあるレッドだ。
そのレッドを事もあろうに撃ち抜くなんぞ出来る筈がない。
だが、やらねばならない。やらなけ
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