第22話 激突、星雲組!?男とは、時に敢えて道を踏み外す事もある(前編)
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らあの『血の天の川事件』を引き起こした張本人ですぜぇ!】
【血の天の川事件だってぇ!!】
真っ先にドリルとレスキューが驚きの顔を見せた。だが、番や茜には今一意味が分からない。
【あ、そうか。地球人であるあんたらには馴染みにのない事でしたね。それでしたらあっしが一から説明いたしやす。あれはそう、今から―――】
***
血の天の川事件―――
それは、広大な宇宙を生きる悪党、並びに宇宙警察や宇宙警備隊、及び銀河連邦の者達にとって見れば恐るべき事件として記録されている。
今から遡る事およそ200年前―――
当時、銀河系の覇権を争っていた【星雲組】と【覇罵根露組】と言う二つの組織の戦いは日増しに激化の一途を辿っていた。
当時の星雲組組長はこれ以上の戦いの激化を危惧し、覇罵根露組と雌雄を決すべく天の川宙域にて最終決戦を挑むべく全兵力を投入した。
だが、それに対し覇罵根露組は莫大な財力を生かし、最新鋭の武器や腕利きの殺し屋を大勢雇い入れ、その総戦力は数十万にも及ぶとされていた。
それに対し、星雲組の戦力はたったの5千近く。勝負にすらならなかった。
次々と倒れていく星雲組の組員たち―――
絶体絶命の状況に立たされた組長は、苦肉の策を講じようとしていた。
「これ以上はもうもたん。レッド、若い衆を引き連れてこの宙域から逃げろ!」
「いえ、それはおやっさんのすべき事です! 此処は私に殿を務めさせて下さい!」
「馬鹿言うんじゃねぇ! お前はまだ若い。それに比べりゃワシなんぞ棺桶に片足突っ込んでるようなものだ。今更命なんぞ惜しくは―――」
「おやっさん。あんたが死んだらそれこそ星雲組は終わりだ。だが、あんたが生き残れば星雲組はまた立ち上がれる! それに、俺はあんたに恩返しがしたかったんじゃ」
「レッド―――」
「頼んます。このレッド、一生の頼みを聞いて下さい。この俺に、殿の役目をお与え下さい!」
深々とレッドは頭を下げて懇願する。この時、組長は死ぬつもりだった。
いざとなれば自分の首を撥ねてしまおう。そう思ってさえいた。
だが、その目論見は若いころのレッドによって阻止されたのだった。
「組長! 覇罵根露組の奴らがもうすぐ其処まで来ています! もう此処ももちません!」
「組長、此処は私に任せて下さい! 必ず、殿の役目を全うして見せます!」
「レッド・・・すまん!」
断腸の思いで組長はレッドにその任を託した。早い話が死ねと言っているようなものだ。
だが、その任を任された時のレッドの顔は、とても満ち足りた顔をしていたと言う。
「有難う御座います、おやっさん。おまんら! 今すぐおやっさんを連れて此処から逃げろ! この場はこの俺が預か
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