第22話 激突、星雲組!?男とは、時に敢えて道を踏み外す事もある(前編)
[4/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
――」
「はい、終わり」
決め技を放とうとした茜の足を掴み、守は初めて前へと歩み寄った。
茜と守の顔が間近までに迫る。
「なっ!!」
「これ以上やってもお腹が減るだけだよ。やるだけ時間と労力の無駄無駄」
「む、無駄だって誰が決めたんだぃ! それに、まだ決着はついちゃいないよ!」
「ついちゃいないって言っても、もう君の技は全部見切ったから僕には当たらないよ。それに、この状態でこの後どうするつもりなの?」
まじまじと茜を見つめながら守は訪ねる。確かに、彼の言う通り、今の茜は右足を抑えられている上に至近距離にまで近づかれている。
これでは彼女が拳を振りぬくよりも前に守が首をへし折る方が早い。
彼の言う通り、勝敗はついたようだ。
「ふ〜〜ん―――」
「な、なんだぃ? 人の顔をじろじろ見つめて」
「君って、結構綺麗なんだね。君みたいなのを『美人』って言うの?」
「な! なななっ―――」
いきなりな発言に茜は顔を真っ赤にした。それは、遠巻きに見ていた番達にも聞こえた事であり―――
【ず、随分と変わった奴なんだな・・・】
【凄い人なんだなぁ。あの茜さんの蹴りを全部避けちゃうなんて―――】
「それはそうと、茜の奴。顔真っ赤になってないか? それに、頭から煙吹いてるぞ」
番達の前で完全に硬直状態に陥ってしまった茜とそれをまじまじと見つめる守。
恐らく当分このまま二人だけの時間が続きそうなのでそのまま放置しておくとしよう。
下手に立ち入って痛い目を見たくはないし―――
「ところでよぉ、レッドはどうしたんだ?」
【レッドさんだったら今は仕事で此処にはいないよ】
【最近小火騒ぎが多いらしくてなぁ。まぁ、レッドはレッドで大張り切りだったみたいだけどな】
消防車であるレッドにとっては火災の大小など関係ない。一たび火災が起これば即座に出動し鎮火させる。これが今の彼の生き甲斐でもあった。
無論、救助作業もお手の物らしく、高層ビルに取り残された人を助けるためにロボット形態に変形してビルをよじ登って救出するなんて珍場面も多々あったそうだ。
「ま、これからは俺や茜。それに守もいるし、何よりお前ら三人が合体してトリプル番長なんてのになれるんだから正に鬼に金棒って奴だな。それとも馬鹿とハサミは使いようだっけか?」
【番さん、その事なんですけど・・・僕達、余り合体はしない方が良いと思うんです】
「何だよレスキュー。折角合体して強くなれるってのに嫌なのか?」
【そうじゃないんです。でも、合体って言うのは番さんが思っているよりも複雑で、それでいて危険なものなんです】
「危険?」
番や茜が合体するのとレスキュー達が合体するのとでは大きな違いが生まれて来る。
それは、番と茜は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ