第22話 激突、星雲組!?男とは、時に敢えて道を踏み外す事もある(前編)
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まった。
その間、迫りくるゴクアク組の猛威を茜一人で捌く羽目になってしまい、相当苦労を掛けてしまったようだ。
「ま、この際それは良いとしてだ。番、あんたが連れて来たあの男は一体誰なんだぃ?」
「誰って、守の事か?」
「他に誰が居るってんだぃ? パッと見ただけでも全然強そうに見えないし、一体何者なんだぃ? あいつは」
【俺も其処んとこ知りてぇなぁ、番】
茜の問いにドリルも食い付いてきた。
【俺達ぁ仲良しこよしの集まりじゃねぇんだ。戦力にもなりそうにない奴を連れて来られても邪魔なだけなんだよ】
「ドリルの言う事も最もだね。で、どうなんだぃ? あの峰守ってのは一体何者で、あんたとはどう言う関係なんだぃ?」
「見りゃ分かるだろ。あいつは其処に居るイインチョウの相棒で、俺が唯一喧嘩で負けた相手だ」
二人の問いに、番は簡潔に答えた。
【はぁ、お前が喧嘩で負けただぁ?】
「あんなもやし相手にかぃ?」
茜は信じられなかった。あの番が喧嘩で負けるなんて考えられない。
ましてや、それが目の前に居る如何にもひ弱そうな奴に負けるなんて―――
「おい、そこのもやし!」
「ん?」
論より証拠。番の言い分が嘘か真か、確かめる方法は一つしかない。
即ち、守相手に喧嘩をする事だった。
「あんたが番を負かしたってのは・・・本当なのかぃ?」
「そうみたいだね。と言っても、僕が番と喧嘩したのは随分昔の話だよ」
「あっそう。んじゃ、今度はあたしと喧嘩して貰うよ!!」
言うや否や、守の顔面目掛けて茜は得意の右足を蹴り上げた。
唸りを挙げて向かって来るそれを、守はじっと見つめながらも、微動だにしなかった。
右足はそのまま守の顔面すれすれを通過し、誰も蹴る事なく振り切られて終わった。
「凄い蹴りだね。相当鍛えたんだね」
「どうも、大抵の男は皆これで腰を抜かすんだけどねぇ、それじゃ・・・次は本気で当てるよぉ!」
今度は一発のみならず、連続で蹴りが叩き込まれた。しかも、一発一発が全て本気の威力が込められている。
当たれば最悪骨が折れるであろう威力だが、それを前にしても、守は平然としており、尚且つ一発も当たる事無く全てかわして見せている。
「はは、早い早い。当たったら痛いだろうね」
(こいつ、あたいの本気の蹴りを全てかわしてる。それも一切の無駄のない動きで! こんなの初めてだよ!)
今まで、自慢の蹴りが全てかわされる事など一度もなかった。それを、今目の前に居る守はいとも容易く行って見せている。
信じられないが、番の言っている事はどうやら本当のようだ。
だが、だからと言って此処で引き下がる事はスケ番筆頭として出来る筈がない。
「こうなったら・・・紅蓮鳳凰k―
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