第二十四話 都その五
[8]前話 [2]次話
「そして道も開けているでござる」
「陸も水もある」
「そうでござる」
「周りに田畑もそれなりにある」
しかも今以上にそれもかなり多くの田畑を置けそうだとだ、英雄は都の周りのことを話した。
「そうだな」
「その通りでござる」
「どうも守りにくい場所だが」
平らな盆地の真ん中にあってだ、囲まれればそれで終わりだというのだ。
「しかしだ」
「それでもでござるな」
「ここは豊かになる」
間違いなくとだ、英雄は言い切った。
「確実にな」
「それでは」
「やがてこの都も治めることになるが」
「その時は」
「無事に治めたい」
「そして豊かに」
「そうしたい。そしてこの都を拠点としてだ」
そのうえでともだ、英雄は正に話した。
「島全体を治めていくか」
「都からでござるか」
「そうだ、やはり島全体を治めるならば」
「都に拠点を置いて」
「そこから治めたい」
こうした話をしながらだ、英雄は正と共に都の主な場所を見回った。寺社も多いがどの寺社も今は寂れている感じだ。
しかしかつての繁栄を思わせるものもありだ、英雄は宿やはりいささか寂れているそこに入って話した。
「曇った珠か」
「今の都は」
「かなり曇っている、だが」
「また磨けばでござるな」
「必ずよくなる、そしてだ」
「この島自体が」
「そうだろう」
こう正に話した。
「水がいいせいか米がよくだ」
「この酒にしても」
二人は酒を飲みながら話している、米から造られた酒である。
「美味でござるな」
「実にな。田畑も出来てだ」
そしてというのだ、
「美味い酒もどんどん出来るしな」
「そこから見ましても」
「この都は曇った珠だ」
今現在はというのだ。
「やがて磨く。だが」
「それはやがてで」
「今は違う」
「二人目、三人目の仲間をでござるな」
「迎え入れる」
どれが第一だというのだ。
「何といってもな」
「この都にその二人がいるでござるが」
「陰陽師と僧侶だな」
「左様でござる」
「ではだ」
これからというのだ。
「明日すぐにだ」
「向かうでござるな」
「どちらのところにな」
そうするとだ、英雄は正に飲みつつ話した。肴である味噌は白味噌でこれも都のものである。
「そう考えている」
「左様でござるか」
「そうだ、だが」
「だが?」
「簡単にはいくかというとだ」
その彼等が旅に素直に加わるかというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ