第二十四話 都その三
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「俺は詳しくはないが」
「どうもでござる」
「どうも、か」
「荒れているでござる」
そうした状況だというのだ。
「今の都は」
「戦乱の中でか」
「家々も荒れて店も寂れ」
「将軍家もなくなりか」
「酷いものでござる」
そうだというのだ。
「実に」
「そうか、やはりな」
英雄もその言葉に頷く。
「そうだと思っていた」
「左様でござるか」
「戦国時代の都も乱れていた」
「そしてこの島も戦国の世でござる」
「ではな」
「荒れているのもでござるか」
「当然だ、だが」
それでもとだ、また言った英雄だった。
「その都もだ」
「やがてはでござるな」
「整えるべきだ」
「戦乱の後は」
「必ずな、魔神を倒すならばだ」
そう思うのならというのだ。
「生半可な力では無理だ」
「だからこそ」
「政により国、島自体が力を備え」
「そうしてでござるな」
「兵達にいい装備を与えてだ」
そのうえでというのだ。
「魔神の軍勢とも戦う」
「装備を整えるには金が必要だ」
「その金を生み出すのは政により整えられた国」
「だからだ」
それでというのだ。
「都も整えてだ」
「国力を備える」
「そうする、絶対にな」
「そうでござるか」
「都の場所はこの島で最も交通の便がいいな」
「はい」
その通りだとだ、正は英雄に答えた。
「まさに心の臓でござる」
「では整えるとだ」
「人も集まり商いも栄え」
「富を生み出す」
「だからでござるか」
「出来る限り早いうちに整えたいな」
今は荒れていようともというのだ。
「必ずな」
「わかったでござる、では」
「まずは都を見よう」
「確かに荒れているでござるがどうしようもないかというと」」
「そこまではだな」
「至ってござらぬ」
そうした状況だというのだ。
「人も多く店も寂れていても」
「あるか」
「左様でござる」
「そうなのか」
「ですから整えることもでござる」
それもというのだ。
「可能でござる」
「ならいいがな、ではな」
「都にさらに」
「向かおう」
こう話してだ、そのうえでだった。
二人で都に向かいそしてだった。
堺を発ち一週間で都に着いた、そして都を見ると。
崩れ落ちそうな正門を見てだ、英雄は正に言った。
「羅生門だな」
「そうでござる」
「そうか、この島にはあるか」
「我々の世界ではなくなったでござるが」
それでもというのだ。
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